1950年(昭25)矢貴書店刊。新大衆小説全集第10巻所収。銭形平次物は長中短合わせて383篇にのぼるそうだが、まともに読んだのは今回が初めてになる。胡堂の文体は「でした、ました」という丁寧な語尾に特徴がある。傲慢な読者でも語り手がへりくだった姿勢に思えると素直な心情になる。 この作品は数少ない長編の一つで、江戸中の十八歳の娘たちの中から籤引きで当った者に千両を与えるという催事に起こった殺人事件を皮切りに、続出する殺傷事件や誘拐事件の謎に銭形平次と右腕の八五郎が追っていく。関係する人物の表情や感情の変化を丁寧に描写している点に味わいがあった。謎の組み立ても巧みで、犯人像がなかなか見えてこない上…
佐竹がやってくる以前、羽州北浦――田沢湖附近一帯を治めていたのは丸に輪貫九曜紋、戸沢の一族こそだった。 (Wikipediaより、丸に輪貫九曜紋) 石高、四万五千石。評判はいい。善政を敷いていたらしい。 百姓どもと領主の距離も近かった。戸沢の殿が田沢湖畔に祠を建てて、宇伽神――弁財天を勧進すれば、百姓どもは毎年正月十一日に小判型の餅をこしらえ、供物に捧げに持ってくる。誰に命ぜられるまでもなく、自然とそういう習を成す。 すると殿様、その敬虔さ、純朴さを喜んで、百姓どもの主立つ顔を城に呼び、酒肴を与えてもてなして、お褒めの言葉をかけてやる。そういう循環、年中行事がごくさりげなく形成されたものだった…
アックス 152号 私家版「こだま・古玉・木霊」6号(菅野修傑作選1)、7号(菅野修傑作選2)発売記念セット 注文しました。http://axstore.ne…
HONDA BENLY110 touring(2023年-4 “ 千葉県立中央博物館 ”)
関東に越してから初のツーリングで“千葉フォルニア”に行った後、まだ時間に余裕があったので、もう1か所立ち寄ることにしました。千葉市の“青葉の森公園”にある“千葉県立中央博物館”です。千葉フォルニアからは、だいたい1時間弱。バイクの駐車場が心配でした
HONDA BENLY110 touring(2023年-3 “ 千葉フォルニア ”)
4月10日に愛車BENLY110が新居に届き、すぐにでもツーリングに行きたかったんですけど、家電3点セットが届いたり、休日移動が重なり、ようやく今日4月23日に出かけられることとなりました。引っ越し前からGoogleマップに行きたいところは登録していたのですが、ネーミングか
1897年(明30)8月~1898年(明31)1月 雑誌「人情世界」連載、日本館本部発行 作者の荻廼家(おぎのや)主人についてはこの作品以外には生没年を含め、全く不明。この版元所属の記者作家の筆名の一つと考えられる。伯爵家の財産の横領を企む分家の弟と結託した家令が令嬢を拉致して殺害したことから物語が始まる。最初に捜査に関わった探偵が途中で惨殺され、仲間の探偵が後を継ぐが、許婚の父親を容疑者として逮捕し、自身も大怪我をする。結局三人目の探偵が犯人一味を追い込む。主要人物がリレー形式で交代して捜査をつなぐのも珍しい。登場人物が多く、筋も入り組んで、相関図をメモしないとわかりにくかったが、読み応えが…
日本に於けるマゴットセラピーの濫觴は、実は二〇〇四年にあらずして、一九四五年にまで遡り得る。 そう、大東亜戦争末期のころだ。 亀谷敬三医学博士が機銃掃射を浴びた患者の治療に用いて、めざましい成果を挙げている。 (Wikipediaより、P-51Bへの弾薬補充作業) このことは、当時の新聞にも載った。 日附は六月十二日。一面を飾るような華々しさとは無縁だが、内容はさすが医者だけあって実際的な知識のみで埋められて、半狂乱の精神主義的傾向を少しも含んでいない点、記事の質はすこぶる高い。 亀谷はこう書いたのだ。 被害者にP51グラマン戦闘機の攻撃法を聞くと、田圃の中に一人ゐても人と見たら執拗に攻撃を加…
今週のNHK・BSプレミアムで1971年の『ベニスに死す』を放映していまして・・・録画しました(まだみていないのですが・・・)。 劇中で初老の音楽家の心を奪う美少年に扮したビョルン・アンドレセン、池田理代子
先日になりますが、ホームページをご覧いただき、持ち込みにて少女コミック『ガラスの仮面』全49巻をお売りいただき
話題の映画、観賞してきました。 いやー、面白かった、映画大国インドの面目躍如?ハイスケール、はじめからおわりまで強烈にあつくるしく(笑)息もつかせず手に汗にぎる😄😆。 1920年、大英帝国統治下のインド。
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