封人窟:渡辺黙禅1 1915年(大4)樋口隆文館刊、前後終編全3巻。 明治大正期の長篇小説の大家の一人、渡辺黙禅の一作。新聞小説を各紙に何本か掛け持ちで連載していたらしく、同じ年に単行本として何点もの長篇(2分冊、3分冊)を出していた。作風は多数の人物が入り乱れる波乱万丈型の活劇譚が多く、涙香によって翻案紹介された19世紀末の英仏の新聞小説(フイユトン)に通じるものがある。 当時の清国から朝鮮、日本を股に巧みな変装術で強盗を繰り返す一団によって破綻の憂き目を見た実業家一家は、火災にも遭遇し困窮に追い込まれる。父親は朝鮮の山奥での金鉱探しに起死回生を掛ける。姉娘は誘拐されて外国へ人身売買されそう…
もうじき二十二歳を迎える未婚の娘の下腹部が、どうも最近、膨らみ気味だ。 月経も停止しているらしい。 (孕んだか) 両親は、造作もなく合点した。 事実、珍しい話ではない。 ここは大分、東国東(ひがしくにさき)郡に属する、とある山村、某農家。 (国東半島の山々) 開発から取り残された草深い田舎のことである。中央より吹く文化の風も、昭和の御代の人倫も、両子山の錯綜せる溶岩台地に阻まれて国東半島ことごとくには届かない。だからこういう、上古以来の夜這い・野合の習俗が、なお生々しく息づく土地が保存されていたりする。 それゆえ家族も特に騒がす、自然の流れに任せていたが。――どうもだんだん、様子が変だ。 十月…
年末年始から、気になっていたコート製作。 でも身の回りのことでばたばたしたり、なんとなくやる気がなかったりして・・・ とにかく縫い終わったころには、 もう初夏の陽気になっていました という、いつものお
古い『読売新聞』にラブホテルの雛形めいたモノを見付けた。 昭和六年三月十二日である、記事が紙面に載ったのは――。 「最近『円宿ホテル』といふのが多数現はれ安っぽいコンクリートまがひのアパートにベッドを置いて、ホテル営業を表看板とし待合ともカフェーともつかぬつれ込み客専門の宿をして盛んにエロ時代を謳歌してゐるものがあるので警視庁保安部風紀係では取締の必要を認め、管下各署からの調査意見書を二十日迄に集めることになりこの旨十一日通牒した」 (Wikipediaより、読売新聞ホーロー看板) 嘗てフェミニズムの権威、スウェーデンの誇る思想家、エレン・ケイ女史はいみじくも言った、「性の問題は生命の問題であ…
当ブログでも以前紹介した「おむすび番旬」の店主が、昨日放映された「マツコの知らない世界」のおにぎり特集でスタジオ出演している。番組によれば、おにぎりの専門...
日本で初めてゾウの解剖をやったのは、帝大農科大学教授、田中宏こそである。 明治二十六年の幕が開いて早々だった。新年いきなり、上野動物園に於いてはその「花形」を失った。寄生虫症の悪化によって、ゾウが一頭、死んだのである。石油缶に湯を注ぎ、藁を被せて湯たんぽ代わりにしてやったりもしたのだが、今やすべては無為だった。 (上野公園前) 動物園では悲しみつつも、 「せめて学術参考に」 と、愛獣の死を最大限活かすべく、解剖の手筈を整える。 なにぶん日本で最初の試みであるということで、見学希望は引きも切らずであったとか。 そして、当日。 衆人環視の只中で、田中宏は汗みどろになっていた。 たいへんな悪戦苦闘だ…
雨が多い4月だったなー
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