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村上春樹あれこれ

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村上春樹あれこれ
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村上春樹あれこれ
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村上春樹に関することならなんでも ※ 2009.8 管理人を引き継がせていただきました。
テーマ投稿数
371件
参加メンバー
105人

村上春樹あれこれの記事

1件〜50件

  • #拘置所
  • #長女5歳
  • 2022/08/05 02:45
    「青」が意味するのは何か? / 「青が消える(Losing Blue)」 村上 春樹

    村上春樹の中で短編集に収録されておらず、全集にしか収録されていない短編小説がある。それが「青が消える(Losing Blue)」だ。「青が消える」という短編は、タイトル通り「青」色が世界から消えていく様を描いた、ちょっとSF風味のある小説だ。例えば、青とオレンジのストライプのシャツから、青い海から、青色が消えていくといった感じだ。 この「青が消える」は全集にしか収録されていないレアな短編小説なのだが、国語の教科書に掲載されているようで、読んだことがある人は意外と多いのかもしれない。この小説における「青」が何を意味するのかを考えるのは、いかにも国語の授業でありそうな内容だ。 「青が消える(Los…

  • 2022/08/05 02:45
    傷つくことができなかった男 / 「木野」 村上 春樹

    村上春樹の短編集『女のいない男たち』に収録されている小説の中で、僕が一番好きなのが「木野」だ。『女のいない男たち』の中でだけでなく、村上春樹の短編作品の中でもベスト10に入るくらい傑作だと思う。「木野」ってなかなか変わったタイトルだが。 「木野」は短編として完成度が高いのだけれど、長編小説の序章ではないかと思わせるところもある。「ねじまき鳥と火曜日の女たち」が「ねじまき鳥クロニクル」に繋がったように、「木野」も長編に化けそうな気がしてならない。 村上春樹の「木野」は短い中にも、猫や蛇などのメタファーが散りばめられていて、神話的な世界観が広がっている。象徴的なモチーフが散りばめられているから、な…

  • 2022/08/05 02:45
    ギリシャのアトス・トルコをめぐる冒険 / 『雨天炎天』 村上 春樹

    僕はエッセイはほとんど読まないし、海外の地も踏んだことがない。この御時世、海外旅行もなかなか行きづらいので、海外旅行についてのエッセイを読んで旅行気分に浸ってみた。その他にも、村上春樹の小説をほとんど読んでしまって、読んでいないのはエッセイぐらいだったという理由もあるけども。 この『雨天炎天』はギリシャ正教の聖地アトスとトルコを一周した旅行について綴られたエッセイだ。文体もいつも通りのハルキ節で、ユーモアある表現も楽しめた。 この一冊読んだだけでギリシャとトルコを旅行した気分。途中では、トラブル続きで船が来なかったり、知らず知らずのうちに政治的にひどくややこしい場所に来てしまったりと、旅に付き…

  • 2022/08/05 02:45
    女性を失うということ /「女のいない男たち」村上 春樹

    「女のいない男たち」は村上春樹の短編集『女のいない男たち』に収録された短編小説である。『女のいない男たち』という短編集は、何かしらの理由で女を失ってしまった男たちを描いた、コンセプトアルバムのような作品だ。「女のいない男たち」という短編は、短編集のトリを飾る作品であり、この短編集を象徴する作品となっている。 この短編集に収録されている「ドライブ・マイ・カー」、「イエスタディ」、「独立器官」、「木野」では、様々な形で主人公が「女」を失っている。「シェエラザード」は少し毛色が違うが。 「女のいない男たち」でも、「エム(M)」という女の死を伝える電話から小説が始まる。 読んだ人には分かってもらえると…

  • 2022/08/05 02:45
    過去の輝きが喪失することの哀しさ / 「駄目になった王国」 村上 春樹

    小中学校の同級生にとてもサッカーが上手い子がいた。運動神経がとても良くて、走りも早い。ドリブルをすれば誰も止めることができなかった。おまけに顔がカッコよくて、女の子にとてもモテた。まさしく神童だった。 高校からは名のしれた強豪校に推薦で入学していたはずだ。あの頃の僕は、この子が将来サッカー選手になるだろうと思っていた。 しかし、同窓会で再開してみると、その同級生はサッカー選手ではなくフリーターになっていた。 高校の時もスタメンには入れなかったようだ。その時に僕はなんとも言えない物哀しさを感じた。僕の期待や理想をその同級生に投影していた分、落胆がすごかった。なんだか現実を見せられたかのようだ。 …

  • 2022/08/05 02:45
    「どれくらい好き?」と聞かれたときの最適解を村上春樹から学ぼう

    いきなりだが、男子が女子に聞かれて困る質問ってなんだろうか? いきなり来るのはステーキだけにしてくれという人がいるかもしれないが、考えてみて欲しい。ありすぎて、絞りきれないという人もいるかもしれない。 男子が女子に聞かれて困る質問の個人的第1位は、「私のことどれくらい好き?」だ(当社調べ)。異論は認めない。ちなみに第2位は「私と仕事どっちが大事なの」だ。 「私のことどれくらい好き?」って聞かれたら答えに窮してしまうし、羽生結弦のトリプルアクセル並みに頭を回転させても最適解が見つからない。いったいこの場合の最適解は何なのだろう。やれやれ。 最悪のケースは、大喜利に走ってしまいIPPONグランプリ…

  • 2022/08/05 02:44
    偶然の大地を彷徨う / 「彼女の町と、彼女の緬羊」 村上 春樹

    村上春樹の小説によく登場する動物といえば、やっぱり羊だと思う。 タイトルに羊と入る『羊をめぐる冒険』は村上春樹の代表作だ。『羊をめぐる冒険』に登場する羊男は有名なキャラクターで、『羊男のクリスマス』や『図書館奇譚』にも登場している。その他にも村上春樹の小説で羊が登場するものがある。 その小説が短編集『カンガルー日和』に収録されている「彼女の町と、彼女の緬羊」という小説だ。「彼女の町と、彼女の緬羊」の舞台は札幌だ。 札幌の街や羊といい、『羊をめぐる冒険』との繋がりを感じさせるし、『羊をめぐる冒険』の原型なのかなとも思う。 この小説のテーマは、人間が住む土地についてだ。 人は、人生のステージによっ…

  • 2022/08/05 02:44
    村上春樹がチノ・デルドゥカ世界文学賞を受賞した件について

    www.jiji.com 村上春樹がチノ・デルドゥカ世界文学賞を受賞したと言うおめでたいニュースが入ってきた。 イタリアの文化人の名前を冠した「チノ・デルドゥカ世界文学賞」は「現代のヒューマニズムのメッセージ」を表現する人に授与される賞のようだ。賞金は20万ユーロ(日本円で約2700万円)だ。これは、ノーベル文学賞に次いで高額らしい。 チノ・デルドゥカ世界文学賞って何? チノ・デルドゥカ世界文学賞とは、人道主義的貢献に対して与えられるフランスの文化賞だ。フランス語ではPrix mondial Cino Del Ducaと書き、チーノ・デル・ドゥーカ世界文学賞とも読むようだ。 ウィキペディアで歴…

  • 2022/08/05 02:44
    意外すぎる?村上春樹が芥川賞を受賞していないことについて

    現代日本文学を代表する作家・村上春樹。その人気は日本にとどまらず、世界中で広く読まれ愛されている。 それもあってか、ノーベル賞が発表される時期になると、「ノーベル文学賞最有力候補」ともてはやされている。まあ、ノーベル文学賞の候補は公表されていないので、本当に候補になっているのか分からないのだが。やれやれ。 ノーベル文学賞の受賞が近いと言われている村上春樹だが、実は芥川賞を受賞していない。

  • 2022/08/05 02:44
    もう一度18歳に戻りたい? / 「32歳のデイトリッパー」 村上 春樹

    皆さんは18歳に戻りたいだろうか? 僕としては、戻りたい気もするし、戻りたくない気もする。今の記憶を持って戻ったら、未熟な18歳の僕でももっとマシな立ち回りができたんだろうなと思う。 村上春樹の短編「32歳のデイトリッパー」では、18歳に戻りたいか?という質問が出てくる。 どんな短編小説かというと、32歳の「僕」と18歳のガールフレンドの話だ。「僕」は既婚者だし、ガールフレンドには複数のボーイフレンドがいる。やれやれ。 32歳と18歳という組み合わせがなんとも言えないリアリティを醸し出している。 これが17歳のガールフレンドだったら間違いなく捕まるし、男性の方も35歳ぐらいになってくると間違い…

  • ブログみる【ブログみる】ブログを完全無料で検索・閲覧できるアプリみつけた! - 中年独身男のお役立ち情報局
  • 2022/08/05 02:44
    春樹のススメ!初心者におすすめしたい村上春樹の短編小説集5選

    今や日本を代表する作家・村上春樹。その人気は日本にとどまらず、世界中で読まれている。洒脱な表現や比喩と、巧みなストーリーテリング、魅力的な謎解き要素などの魅力が詰まった村上春樹作品。これから村上春樹を読むという人のために、初心者におススメの小説を紹介!

  • 2022/08/05 02:44
    村上春樹をオーディオブックで聞こう!Audible(オーディブル)で配信予定の村上作品を紹介!

    Amazonの「耳で聴く」読書、Audible(オーディブル)が、2022年1月から聴き放題に移行したのに伴い、村上春樹の作品が10作品オーディオブック化されるが決定した。 村上春樹作品は海外ではオーディオブック化されていたが、日本でオーディオブック化されるのはこれが初めてだ。 今後制作予定の10作品は、『1Q84』、『ねじまき鳥クロニクル』、『騎士団長殺し』、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』、『海辺のカフカ』、『螢・納屋を焼く・その他の短編』、『東京奇譚集』、『神の子どもたちはみな踊る』、『職業としての小説家』、『辺境・近境』の予定だ。 今回第一弾として7つの作品が配信される。…

  • 2022/08/05 02:44
    小人の謎を考察する / 「踊る小人」 村上 春樹

    この記事では、村上春樹の不可思議な短編「踊る小人」を考察・解説していきたい。 この「踊る小人」はファンタジー色が強く、童話テイストなのだが、どこか不気味な雰囲気が漂う小説だ。踊る小人というと「白雪姫」の7人の小人が思い浮かぶのだが、その小人と違って「踊る小人」に登場する小人には邪悪なところがある。この記事では、「小人」は『羊をめぐる冒険』の「羊」のように邪悪な存在として解釈してみたい。 また、この小説では「象工場」や、「革命」といった謎めいたキーワードが散りばめられている。そのキーワードについても掘り下げて考察していく。

  • 2022/08/05 02:44
    語りによるトラウマの克服 / 「土の中の彼女の小さな犬」 村上 春樹

    「土の中の彼女の小さな犬」は、『中国行きのスロウ・ボート』に収録されている村上春樹の短編小説だ。この小説では、自らの「トラウマ」を語ることによって「トラウマ」に向き合い、回復する過程が描かれている。 村上春樹にしてはオーソドックスなプロットになっていて分かりやすい小説だなと思う。 自らのトラウマを語り、トラウマから解放されるという構造は「七番目の男」といった他の村上春樹作品にもみられる。 主人公の「僕」は、彼女がトラウマから回復するのを助けるような役割を負っている。それだけでなく、「僕」自身も彼女との交流を通じて自らの人間関係に向き合おうとするのだ。 それでは「土の中の彼女の小さな犬」について…

  • 2022/08/05 02:44
    考察のお供に!村上春樹の解説本・評論書・研究書を紹介する!

    村上春樹作品といえば謎めいた内容が特徴だろう。 村上春樹作品だと謎が多いために内容がよく分からないという人は多いのではないだろうか。また、村上春樹作品を色んな視点から読み解きたい、もっと深く読み解きたいという人も多いのだろうではないか。 そんな時に役に立つのが、研究者や文芸評論家が書いた研究本や解説本だ。数多くある村上春樹についての解説本・評論本・研究所の中でおすすめのものを紹介したい。

  • #転勤族
  • 2022/07/30 10:07
    村上春樹作品を読み解くキーワード一覧

    村上春樹作品では著者が独自に考案した様々な用語が使われています。今回はそれらのキーワードやキー・センテンスについて、短い文でまとめてみたいと思います。長編作品を思い付く限り全部盛りです。言い切ります。

  • 2022/07/21 20:09
    考察・風の歌を聴け ②「ジョン・F・ケネディ」に答える読み方

    村上春樹著『風の歌を聴け』を考察します。皆さんは都市伝説はお好きでしょうか?今回は都市伝説風に、怪しい読み方を示してみたいと思います。前回は純粋にプロットから「風の意味」について考えてみましたが、今回はキーワード群を「Happy Birthday and White Christmas」からイエス・キリストに結びつける読み方をして、主題を導きだします。 Happy Birthday and White Christmas Hear the Wind Sing Wind/Pinball: Two novels (English Edition) 作者:Murakami, Haruki Vinta…

  • 2022/07/01 20:36
    【本】村上春樹『国境の南、太陽の西』~悪い星の下に生まれた恋人たちの物語~

    1、作品の概要 1992年に刊行された村上春樹の書き下ろし長編小説。 講談社より刊行された。 12歳の頃に親密になって、その後離れ離れになった男女が25年後に再会する。 時が過ぎても、お互いの心の中に居続けたのは・・・。 2、あらすじ 一人っ子がコンプレックスだった始は、同じ一人っ子の島本さんが転校してきて懇意になる。 彼女の家で音楽を聴いて、2人で過ごす時間は特別だったが、彼女が引っ越したことで疎遠になってしまう。 高校になってイズミと付き合い始めた始だったが、彼女を結果的に裏切って別れてしまい、東京の大学に単身進学する。 就職し退屈な日々を送る始は、有紀子と出会い心を震わせて2人は結婚する…

  • 2022/05/20 12:29
    村上春樹さんチノ・デルドゥカ世界文学賞受賞おめでとうございます〜私なりの春樹ワールドを語る

    日付が2022年5月19日になったばかりの頃、村上春樹さんにチノ・デルドゥカ世界文学賞が授与されることになったとのニュースが飛び込んできた。今宵さっそく、喜びを噛み締めながら家族と一緒にお祝いの宴を設けました。おめでとうございます🥂 【パリ共同】フランス学士院は18日までに、イタリア出身の文化人チノ・デルドゥカ氏の名前を冠した世界文学賞の今年の受賞者に作家の村上春樹さんが選ばれたと発表した。賞金は20万ユーロ(約2700万円)で、ノーベル文学賞に次いで高額とされる。 *村上春樹さん関連記事⇨ 小説ノルウェイの森が四半世紀たっても映像で脳に記憶されいた このところ村上春樹ワールドが波打ってる 先…

  • 2022/04/19 18:07
    村上春樹の『二重メタファー』 二重構造の認識システム

    村上春樹の『二重メタファー』とは、人間が生物として生得的に備えていた認識システムを、新たに獲得した「社会の認識システム」で覆い隠してしまったために生じた弊害を指しています。

  • 2022/03/21 18:37
    考察・村上春樹著『鏡』 心(主観)が作り出す幻

    高校の教科書に載っているらしく、課題に悩んでいる生徒たちが質問サイトに投稿しているのが目立ちます。本作の主題や著者の伝えたかったことは何だったのでしょうか?全力で考察します。 『カニッツァの三角形』 出典;北岡明佳教授による作図 「錯視のカタログ」より引用

  • 2022/03/19 17:01
    映画『ドライブ・マイ・カー』について私が思う二、三の事柄

    もうじき開催される第94回アカデミー賞発表を前にして今、一段と熱い視線を注がれているのが『ドライブ・マイ・カー』。すでにカンヌ国際映画祭における脚本賞をはじめ…

  • 2022/03/11 15:22
    【本】村上春樹『TVピープル』~資本主義社会とバブルへの密やかなるアンチテーゼ~

    1、作品の概要 1990年に刊行された村上春樹の短編集。 『TVピープル』(par AVION1989年6月号掲載)、『飛行機ーあるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったかー』(ユリイカ臨時増刊号1989年6月号掲載)、『我らの時代のフォークロアー高度資本主義前史』(SWITCH1989年6月号掲載)、『加納クレタ』(書き下ろし)、『ゾンビ』(書き下ろし)、『眠り』(文學界1989年11月号掲載)の6編からなる。 1990年アメリカ『ザ・ニューヨーカー』に『TVピープル』が掲載された。 2、あらすじ ①TVピープル ある日曜日の夕方にTVピープルたちが僕の部屋にやってきて、TVを置…

  • 2022/03/10 22:15
    【本】村上春樹『女のいない男たち』~そうおれは傷ついている、それもとても深く~

    1、作品の概要 2014年に刊行された村上春樹の短編集。 全6編からなる。 女性に去られてしまった男たちを描いた。 『ドライブ・マイ・カー』『イエスタデイ』『独立器官』『木野』は『文藝春秋』に、『シェエラザード』は雑誌『MONKEY』に掲載されて、表題作の『女のいない男たち』は書き下ろされた。 『ドライブ・マイ・カー』は2020年に監督・濱口竜介、主演・西島秀俊で映画化されている。 2、あらすじ ①ドライブ・マイ・カー 俳優の家福は、20年連れ添った妻を癌で亡くしてしまう。 彼女は夫以外の複数の男と寝ていたが、家福は彼女にそのことについて言及することができなかった。 目の病気のため運転が困難に…

  • 2022/02/26 02:40
    『バーニング』原作の狭間で、『十九歳の地図』/柳町光男監督作品

    2019年に日本公開された『バーニング劇場版』を先日やっと視聴した。原作は村上春樹氏の短編小説『納屋を焼く』である。 以前、映画批評のブログを書かれているゼル…

  • 2021/11/02 19:24
    【本】村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス』~死者とのダンス、自らの影法師と踊り続ける~

    1、作品の概要 1988年に刊行された村上春樹6作目の長編小説。 上下巻で講談社より刊行された。 装丁は佐々木マキ。 『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』の「僕」が主人公の続編。 hiro0706chang.hatenablog.com hiro0706chang.hatenablog.com hiro0706chang.hatenablog.com 2、あらすじ 『羊をめぐる冒険』より4年半後。 雑誌のライターの仕事をしていた「僕」は妻も友達も失い空虚な日々を送っていたが、「いるかホテル」で誰かが自分のために泣いていると感じていた。 仕事で訪れた札幌の街、懐かしい「い…

  • 2021/11/02 19:23
    【映画】『CAPONE』~「壊れているのは、世界か、俺かー」ギャング王アル・カポネの最後の日々~

    1、作品の概要 2020年に配信されたアメリカの伝記映画。 映画館で上映予定だったが、新型コロナウィルスの蔓延により配信で公開された。 シカゴマフィアのドン「アル・カポネ」の最晩年を描いた作品。 主演トム・ハーディー、監督ジョシュ・トランク。 日本では、2021年2月より公開された。 2、あらすじ 悪逆の限りを働いたシカゴマフィアのボス、アル・カポネ=フォンス(トムハーディー)は刑務所を出所後梅毒が悪化し、心身共にボロボロになっていた。 フロリダの自宅で家族と静かに暮らすが、FBIの監視の目が常に光っていた。 やがて認知症状が進行し、妄想と現実の区別もつかなくなっていくフォンス。 神経症的な彼…

  • 2021/11/02 19:23
    【映画】ミッドナイトスワン~身を寄せ合う2羽の孤独な白鳥~

    1、作品の概要 2020年9月に公開された日本映画。 草彅剛主演でトランスジェンダーを題材に作品。 監督・脚本は内田英二。 原作小説の執筆も手がける。 2、あらすじ 男性に生まれながら性同一性障害で女性として生きている凪沙(草彅剛)は、新宿のゲイバーで働いていた。 郷里の広島からネグレクトされていた姪・一果(服部樹咲)が上京してきて母親の頼みから一時的に同居するようになるが、お互いに心が開けずにギクシャクする日々。 一果はバレエを習うために友人のりんの紹介で違法な撮影バイトをしていたが、客とのトラブルで警察沙汰になってしまう。 迎えに来た凪沙は、パニックになり自傷行為へと走る一果を抱き締める。…

  • 2021/07/01 17:43
    自分の無知さを痛感  スケッチ会(横浜)

    2020年12月のスケッチ会で横浜 日本大通り駅に近い北欧料理レストラン「スカンディア」周辺に行きました。  平日の朝だったので絵のように人が少なかったのです…

  • 2021/06/15 20:09
    【本】村上春樹『ノルウェイの森』~どんなに深い哀しみも、やがて全ては通り過ぎて消え去っていく~

    1、作品の概要 1987年に発表された村上春樹5作目の長編小説。 短編『螢・納屋を焼く・その他の短編』に収録の『螢』を基にして書かれた作品。 書き下ろしで上下巻2冊で刊行された。 上下巻合わせて1000万部を超えるベストセラー作品になり、村上春樹の作品としても最大の発行部数となった。 2010年に松山ケンイチ主演で映画化された。 ノルウェイの森 上 (講談社文庫) 作者:村上 春樹 発売日: 2004/09/15 メディア: ペーパーバック ノルウェイの森 下 (講談社文庫) 作者:村上 春樹 発売日: 2004/09/15 メディア: ペーパーバック hiro0706chang.hatena…

  • 2021/06/04 11:39
    【映像化】この夏公開の気になる映画化、アニメ化!村上春樹「ドライブ・マイ・カー」佐藤正午「鳩の撃退法」上橋菜穂子「鹿の王」!

    女のいない男たち posted with ヨメレバ 村上 春樹 文藝春秋 2016年10月07日頃 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す 楽天koboで探す Amazonで探す Kindleで探す さて、映像化情報、いろいろ出てきているのをまとめてみました。まずは村上春樹の短編集「女のいない男たち」所収の「ドライブ・マイ・カー」が映画に。しかも、メガホンをとるのが「寝ても覚めても」「ハッピーアワー」の監督で「スパイの妻」の脚本も手がけた濱口竜介監督。「ドライブ・マイ・カー」かぁ。あの短編集の中では個人的にはそれほど心惹かれなかったけれど映像化はちょっと楽しみ。あ、もう帯になってる。主演が…

  • 2020/12/03 08:09
    【本】村上春樹『パン屋再襲撃』

    1、作品の概要 1986年に刊行された村上春樹の短編集。 装丁は佐々木マキが手がけた。 「文學界」「月刊カドカワ」「新潮」など様々な雑誌で連載された作品が収録されている。 2、あらすじ ①パン屋再襲撃 新婚の二人をある夜に襲った強烈な空腹。 それは、便宜的に満たされるべきではない特殊な飢餓で、「僕」にかつてつパン屋を襲撃したことを想起させた。 パン屋を襲撃した際に受けた呪いのような重大な間違い。 それを振り払うために妻は再びパン屋を襲うことを提案する。 ②象の消滅 ある日、町の象舎から象が消えた。 飼育員と共に忽然と姿を消した象に、様々な憶測が飛び交う。 「僕」は会社のキャンペーンのためのパー…

  • 2020/09/02 11:29
    【書評】村上春樹「一人称単数」-8つの短編が奏でるのは人と記憶の不確かな物語

    一人称単数 村上 春樹 文藝春秋 2020年07月18日 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す by ヨメレバ 小説家・村上春樹にとって人称の問題は大きい。そういう「縛り」があることが大切だと川上未映子によるインタビューの中でも語っている。ただそれは長編のこと。短編は「縛りもなにもなく、最初から好き放題に書いていく」そうだ。で、「一人称単数」というタイトルの短編集。 当然、この8編は一人称(6編の「僕」1編の「ぼく」1編の「私」)で語られ、ほとんどが回想的な物語だ。中でも好きなのは「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」という1…

  • 2020/08/31 21:38
    【本】村上 春樹『一人称単数』~現実と夢想が入り交じり魔界が現出する~

    村上春樹の最新の短編集が発売しましたっ!! ワッショイワッショイ└(゚∀゚└) (┘゚∀゚)┘ 好きな作家の新刊はワクワクしますね~。 1、作品の概要 2020年7月18日に刊行された村上春樹の短編集。 8編からなり、7編は文藝春秋に掲載され、『一人称単数』は書き下ろして収録された。 私小説的な雰囲気を醸す短編。 2、あらすじ 1、石のまくらに 『僕』は大学2年生の時に、行きがかり上からアルバイト先の女性と一夜を共にすることになった。 彼のアパートで交わる時に、彼女はオーガズムに達する時、他の男性の名前を呼んで良いか聞いてきた。 感じる時に大きな声を出してしまう彼女にタオルを噛ませながら一夜を…

  • 2020/08/26 19:09
    バニラ水と言えば、村上春樹

    レンタルなんもしない人のドラマで、こんなエピソードがあります。レンタル何もしない人は、あるとき、メロンソーダマニアの人に会います。喫茶店で注文する、バニラアイスが乗った、あのメロンソーダです。そのマニアの人は、...

  • 2020/07/29 11:39
    【エッセイ/感想】村上春樹「村上T-僕の愛したTシャツたち」-写真とコラム&トークで語る好きなTシャツ、気になるTシャツ、着ないTシャツ!

    雑誌「POPEYE」で連載されていたエッセイをまとめたもの。まずはこういう四角っぽい判型が好きだし、カラーでたくさんのTシャツ写真が入っているのがうれしい。 村上さんが自分のTシャツコレクションを紹介しているのだが、特にレアなものを集めているわけではない。なんだか気になって買っちゃったものやいろいろな事情でもらったTシャツの中で、特におもしろいもの、気に入っているものが18のコラムと共に紹介されている。

  • 2020/07/24 14:27
    【本】村上春樹『回転木馬のデッドヒート』~人生のエアポケットに現れる奇妙な物語の断片たち~

    1、作品の概要 1985年10月に刊行された村上春樹の全9編からなる短編集。 講談社の文芸PR誌『IN☆POCKET』で隔月で連載された作品と、2編の書き下ろしを加えてた。 2、あらすじ ①はじめに・回転木馬のデッド・ヒート この短編集の前口上的序文。 今作の短編たちは、事実に即した文章であり、それらを小説の容れ物を用いたスケッチである。 ある種の無力感のように春樹の心中にたまっていったおりたち。 回転木馬のデッドヒートのようにどこにも行けない。 ②レーダーボーゼン 妻の友人とひょんことから2人きりになった筆者は、彼女から父親と母親が離婚したきっかけについて語られる。 とても唐突な離婚で、母は…

  • 2020/07/13 11:44
    【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!村上春樹の短編集「一人称単数」!ヨシタケシンスケの新刊はなんと2冊、原田マハ「アノニム」が文庫に!(2020.7/3週)

    一人称単数 posted with ヨメレバ 村上 春樹 文藝春秋 2020年07月18日 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す さて、出る本。村上春樹、6年ぶりの短編小説集「一人称単数」(7/18)出ます。全8編!表紙は今のところ出ていませんねぇ。ただ、扉絵とカバー装画は漫画家の豊田徹也さんが描いたことが発表になっています。詳しくはこちらを! ◯「一人称単数」の詳細はこちらから

  • 2020/06/07 17:40
    【本】村上春樹『螢・納屋を焼く・その他の短編』~ノルウェイの森の基になった短編『螢』が収録~

    1、作品の概要 1984年に刊行された短編集。 ノルウェイの森の基になった短編『螢』、韓国で2018年に映画化された『バーニング』の原作『納屋を焼く』などの5編が収録されている。 2、あらすじ ①螢 18歳の大学生「僕」は、学生寮でユーモアな同居人共にどちらかというと厭世的な学生生活を送っていた。 地元で自殺してしまった友人の彼女と偶然再会し、デートするようになる。 少しずつ距離が縮まっていくが、「彼女」の求めていたのは「誰か」であることを「僕」は知っていた。 ②納屋を焼く 2年前に31歳だった「僕」は、結婚パーティーで20歳のパントマイムを習っていた「彼女」と仲良くなり、時々会うようになる。…

  • 2020/06/07 17:39
    【本】村上レシピで『ノルウェイの森』の緑がワタナベに振舞った料理を作ってみた!!ヒロズキッチンスペシャル♪

    村上春樹の小説を読んでいて思うのですが、美味しそうな料理を食べたり、お酒を飲んだりする場面が多いですよね!? しかも、サンドイッチや、パスタなどちょっとこだわりをかんじさせるような細かい描写が多いですよね。 サンドイッチの具材ひとつとっても細かい描写があったり・・・。 そんな、村上春樹の小説で出てくる美味しそうな食べ物のレシピを集めた本がこの『村上レシピ』です!! 前から気になっていなのですが、図書館で見かけたので借りてきました~。 んで、今回は『ノルウェイの森』で緑がワタナベを自宅に招いて料理を振舞う場面があるのですが、その料理を再現してみました。 題して「小林緑のおばんざい」です。 ブラジ…

  • 2020/06/03 12:22
    6月3日 カフカ忌日 『海辺のカフカ』~今日は何の日?からの読書を♪

    にほんブログ村6月3日はフランツ・カフカの亡くなった日です。カフカには、『変身』『審判』などの代表作がありますが、私はどことなく不気味でいまひとつ好きになれないので(そして翻訳ものは、なかなか読みにくくて基本的に苦手です)、今回は村上春樹『海辺のカフカ』をおすすめしたいと思います。6/3は何の日? 『海辺のカフカ』私は村上春樹が大好きです。全作品読んでいると思います。しかし、村上春樹のよさや、村上春樹の本の内容などを説明しようとすると、とても難しい。

  • 2020/04/30 22:20
    【本】村上 春樹『猫を棄てる』~父親について語るとき~

    ☆前書き、父親との関係を語る内容☆ 村上 春樹の新刊が出ました!! 「文藝春秋」2019年6月号に掲載されていた『猫を棄てる』ー父親についてかたるときーというエッセイです。 そろそろ短編集が刊行されるかなと思っていたら、エッセイのほうが先でしたね。 薄くて小さい本で100ページぐらいです、 挿絵も多くてさらっと読めますが、内容はなかなか濃くて満足でした。 エッセイ『職業としての小説家』でも感じましたが、随分と村上春樹自身の内面、考え方やパーソナルな部分について語っている内容だなと感じました。 元々、そんなにオープンな性格の方(いや、会ったことないけどw)ではないし、海外で暮らす時期も長かったの…

  • 2020/02/26 21:06
    【本】村上 春樹『カンガルー日和』

    1、作品の概要 1983年に刊行された18編からなる短編集。 伊勢丹主催のサークル会誌「トレフル」に連載された。 2、あらすじ?・目次 えっと、18偏もあるので細かいあらすじは割愛しますが、不思議な話と、エッセイとショートショートの間の子みたいな話が多いようにおもいます。 カンガルー日和 4月のある晴れた朝に100%の女の子に出会うことについて 眠い タクシーに乗った吸血鬼 彼女の町と、彼女の緬羊 あしか祭り 鏡 1963年/1982年のイパネマ娘 バート・バカラックはお好き? 5月の海岸線 駄目になった王国 32歳のデイトリッパー とんがり焼の盛衰 チーズ・ケーキのような形をした僕の貧乏 ス…

  • 2020/02/09 11:20
    【本】村上 春樹『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』~交錯し、共鳴し合う2つの世界。自意識と現代社会の病理を物語で表現した村上春樹史上最高の傑作!!~

    1、作品の概要 1985年に刊行された村上春樹の4作目の長編小説。 初めての書き下ろし小説。 第21回谷崎潤一郎賞受賞。 文庫版では上下巻で刊行された。 物語は「ハードボイルドワンダーランド」と「世界の終わり」の2つの物語からなり、全部で40章からなる。 2、あらすじ 「ハードボイルドワンダーランド」 近未来、データを計算しロックをかける計算士として有能な「私」は風変わりな生物学の博士からシャフリングの技術を用いた依頼を受ける。 シャフリングは計算士を統合する「組織(システム)」より禁止された技術のはずだったが、博士は許可を取っており、「私」は言われた通りにデータをシャフリングにかける。 お礼…

  • 2020/01/04 20:45
    村上春樹×佐々木マキ『羊男のクリスマス』~不思議でほっこりする絵本~

    もうすぐクリスマスですね~。 毎年、子供たちのプレゼント希望が2転3転して、振り回される季節がやってきましたよ(^_^;) 今日は、クリスマスにピッタリなこの絵本を紹介します 村上春樹の『羊男のクリスマス』です♪ 『羊をめぐる冒険』で出てきた、あのヘンチクリンな羊男の話です。 hiro0706chang.hatenablog.com 佐々木マキさんの挿絵が可愛いですね☆ 村上春樹のファンタジー全開のストーリーと佐々木マキさんのイラストのコラボが絶妙です。 羊博士や、『1973年のピンボール』の双子などおなじみの登場人物に、ねじけや、なんでもなし、海ガラスの奥さんなど訳のわからないキャラクターが…

  • 2019/12/22 11:39
    【本】村上春樹『中国行きのスロウ・ボート』

    1、作品の概要 村上春樹初の短編小説集。 1980年~82年に掲載された7編の短編小説が、1983年に刊行されたもの。 時期的には、「羊をめぐる冒険」と「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」の間に刊行された。 hiro0706chang.hatenablog.com 2、あらすじ ①中国行きのスロウ・ボート 主人公の「僕」は、港街に住んでいたせいか中国人と知り合う機会が多かった。1人目は小学校時代の学力テストを受けに行った試験官、2人目はアルバイト先で知り合った女の子、3人目は高校時代の同級生で28歳の時に再会する。 「僕」は、3人との一瞬の関わりを叙情的に振り返り、遠い中国のことを思…

  • 2019/12/10 12:33
    村上 春樹『1973年のピンボール』

    今回は、村上 春樹の『1973年のピンボール』を取り上げたいと思います。 ちょうど最近読み返しました。 この作品は秋になると読み返したくなります。 1、作品の概要 『1973年のピンボール』は、1980年に出版された村上春樹の2作目の長編になります。 「僕」が主人公の初期3部作の2作目になります。 1969年から1973年の出来事を時系列をバラバラにして語った物語で、離れ離れに過ごしている「僕」と「鼠」の物語を描いています。 基本的には1人称で、リアリズムの物語ですが、「僕」の物語はポップで会話も多く軽快な印象がありますが、「鼠」の物語は内省的で重々しい感じがします。 芥川賞の候補にもなった作…

  • 2019/12/10 12:32
    村上春樹『羊をめぐる冒険』

    1、作品の概要 村上春樹の第3作目の長編作品です。 『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』の「僕」と「鼠」の物語。 初めて書いた文庫本で上下巻になる「長い長編作品」で、それまでジャズバーを経営しながら小説を書いていましたが、店を人に譲り専業作家として本腰を入れて書いた意欲作です。 野間文芸新人賞を受賞しています。 この長い長編を書いたことで、新人が描く中編小説という芥川賞の候補から外れ、後に村上春樹が世界的な作家として評価されたため、「芥川賞最大の取りこぼし」と揶揄されたようです。 hiro0706chang.hatenablog.com hiro0706chang.hatenablog.…

  • 2019/07/03 11:26
    【BOOK NEWS】5日発売「文學界」8月号に村上春樹の新作短編2作同時掲載!

    文學界2019年8月号 金曜日発売の「文學界」最新号に村上春樹の短編2作が掲載されます。表紙には、連作短編「一人称単数」その4と5、とあり、タイトルは「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」「ヤクルト・スワローズ詩集」になっています。 「文學界」ではすでに2018年7月号に3作、「石のまくらに」「クリーム」「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」が掲載されているのでこれらと連なる2作と考えてよさそうです。短編5作で単行本になるのかな?

  • 2019/05/12 13:21
    モーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》「むごい女ですって」YouTube動画公開

    ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》からアリア「むごい女ですって」のイタリア語日本語対訳字幕付きYouTube動画を公開します。

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