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1件〜100件
1、作品の概要 平野啓一郎による長編小説。 2012年に講談社より刊行された。 漫画雑誌「週刊モーニング」に2011年40号~2012年39号まで連載された。 2022年6月25日よりNHKの土曜ドラマにて全5回で放送される。 柄本佑、鈴木杏、阿部サダヲらが出演。 3年前に死んだはずの土屋徹生は突然復生者として蘇り、自らの死の謎を解明すべく奔走する。 2、あらすじ 3年前に会社の屋上か転落して死んだはずの土屋徹生は突然蘇り、周囲の人間を驚かせる。 世界中で、彼と同じように生き返る人々が増え始めていて、「復生者」と呼ばれていた。 死の直前の記憶がない彼は、自らの死因を調べ始める。 自殺だったのか…
『あの子の考えることは変』本谷有希子(講談社) 養老孟司のベストセラー『バカの壁』に、「バカの壁」とは何かの説明として、東大医学部の学生に授業をしていたら、もっとわかりやすく説明しろと何度となく言わ
1、作品の概要 2022年2月に刊行された、永井みみのデビュー作。 第45回すばる文学賞受賞作。 第35回三島由紀夫賞にもノミネートされた。 認知症を患う女性の目線で、彼女の壮絶な人生を振り返る。 2、あらすじ 安田カケイは、認知症の独居高齢者でヘルパーとデイサービスを併用しながら生活している。 介護職員の「みっちゃん」たちに手伝ってもらいながら日々暮らしていたが、1人の「みっちゃん」から「人生を振り返ってしあわせでしたか?」と問われ、自分の人生を振り返り始める。 自分の親しい人の死も忘れながら生き続けるカケイの脳裏に介護職員の「みっちゃん」たちとは違うほんとうのみっちゃんが浮かび、壮絶な一生…
『この道』古井由吉(講談社) この連作短編は、2017年から翌年にかけて「群像」に隔月連載されていたものです。その時の筆者の年齢が80歳から81歳、そしてその翌年2月に筆者は亡くなります。 と
1、作品の概要 1948年に刊行された太宰治の中編小説。 未完の『グッドバイ』を除き、彼が最後に発表した小説になった。 新潮文庫版だけでも発行部数が670万部を突破している。 『恥の多い生涯を送ってきました』の一文はあまりに有名。 葉蔵という奇妙な男の転落人生を、彼自身が残した3つの手記を通して振り返る。 2、あらすじ 葉蔵は東北の裕福な家で生まれ育ったが、生まれつき人間が当たり前に感じる感情や心の動きに共感することができなかった。 彼は、周囲の人間にそういった自身の空虚な内面が露見るのを畏れて、道化を演じ続けていた。 中学校時代の同級生竹一にその道化を見破られるも、「すごい画家になる、女にモ…
『爪と目』藤野可織(新潮文庫) 2013年の芥川賞受賞作です。 ……ふむ。 ……あ、……えー。 ……えー、まー、困っとるわけですね。 何に困っているのかというと、まー、この作品のどこがよくて芥川賞なの
1、作品の概要 2019年に角川書店から刊行された又吉直樹の長編小説。 彼の3作目の小説であり、初めての長編小説となった。 2022年4月に大幅に加筆されて文庫化された。 「文庫は単行本の廉価版であってはならない」という著者の意志のもと、カバーを現代美術家・西川美穂の作品に変更。 佐藤千亜妃と『人間』をテーマ楽曲を作成するコラボ動画を作成した。 何者かになろうともがく永山が芸術家の卵たちが共同で暮らす『ハウス』での日々を振り返りながら、38歳になったその後の人生と自分の現在地を見つめる物語。 www.youtube.com 2、あらすじ イラストと文章で何者かになろうとしていた20歳の永山は、…
『君は永遠にそいつらより若い』津村記久子(ちくま文庫) 2005年に太宰治賞を受賞した筆者のデビュー作だそうです。 ただ、その時のタイトルは『マンイーター』というそうで、ちょっと大概な感じのタイ
1、作品の概要 2012年に刊行された中村文則の長編小説。 『新潮』2012年1月号に掲載された。 特異な迷宮事件に引き込まれていく男と、事件の唯一の生存者である美しい女性との危うげな繋がりを描いた。 2、あらすじ 過去に母親から捨てられて、中学生まで自分の中にRという架空の友人を創造し、精神的なトラブルを抱えていた新見。 法律事務所に就職した彼は、かつて自身が強く惹かれた迷宮入りの一家惨殺事件「日置事件」で生き残った紗奈江と男女の関係になり、再び事件にのめり込んでいく。 紗奈江と以前関係を持っていた行方不明の男の捜索を探偵の男に依頼されて、彼に身柄を引き渡した新見。 同じように事件にのめり込…
『殿さまの日』星新一(新潮文庫) 星新一と言えば、やはりわたくしも中学生の頃ですか、何冊か読みました。読みましたが、これも多くの読書少年が多分そうであったように、その後読まなくなってしまうんです
1、作品の概要 2011年に刊行された中村文則の長編小説。 彼の10冊目の作品。 『掏摸』の姉妹編。 『文藝』の2011年夏号に掲載された。 『掏摸』でも登場した木崎と対峙しながら、運命に翻弄される1人の女性を描いた。 2、あらすじ 施設で育ったユリカは、難病に苦しむ友人の子供の翔太を助けるために矢田から紹介された裏社会の仕事に手を染めるが、翔太は息を引き取ってしまう。 生きる目的を見失いながらも、組織の仕事をこなすユリカは、得体の知れない化物のような男・木崎に出会ってしまう。 絶対的な死を目前にして、ユリカはあがき、木崎と矢田を騙して生き延びようとする。 運命から逃れようともがく彼女の叫びは…
1、作品の概要 2016年4月に刊行された、平野啓一郎の長編小説。 2015年3月から2016年1月まで毎日新聞で連載された。 第2回渡辺淳一文学賞受賞。 天才ギタリストの蒔野と、海外で活躍するジャーナリストの洋子の恋を描いた恋愛小説。 2019年11月に福山雅治、石田ゆり子が主演で映画化された。 2、あらすじ 若い頃から世界で注目されている天才的なクラシックギターのアーティストである蒔野は、東京でのコンサートの打ち上げで意気投合した国際ジャーナリストの洋子に心を惹かれるようになる。 洋子には婚約者がいたが、フランスに戻ったあともメールとスカイプのやり取りで蒔野に好意を持つように。 バグダッド…
『神戸・続神戸』西東三鬼(新潮文庫) 例によって古本屋さんで見つけた文庫本であります。 「『おすすめ文庫王国2020』年間最優秀文庫編集者賞受賞」と、本の帯にあります。 何が何だかよくわからない
1、作品の概要 遠野遥3作目の作品にして、初の長編小説。 第43回野間文芸新人賞候補になった。 2021年『文藝』秋号に掲載。 2022年1月に刊行された。 少しだけ先の未来の閉鎖的な学園での生活を描いた。 2、あらすじ 佐藤勇人は、全寮制の学校で超能力を開花させる為に校則を忠実に守りながら、テストでいい成績を取って少しでも上のクラスへと進めるように日夜研鑽を積んでいた。 1日に3度のオーガズムを迎えること、栄養のバランスの良い食事を摂り、適度に体を鍛えることなど、彼は忠実に学校の指導に従っていた。 クラスメイトの真夏とは仲が良く時おりセックスをする有人関係だったが、彼女から演劇部の樋口部長か…
1、作品の概要 2010年に刊行された中村文則の書き下ろし長編小説。 彼の9作目の作品になり、最長の作品になった。 英訳版がウォール・ストリート・ジャーナルの2013年のベストミステリーの10作に選ばれる。 2018年に玉木宏主演で映画化された。 2、あらすじ 大財閥の久喜家の私生児として生まれた文宏は、父親の捷三からこの世の全てを損ない続ける「邪」として育てられる。 捷三は文宏と同い年の香織を引き取り、「邪」を育てるための贄にしようとするが文宏と香織は愛し合うようになる。 捷三の企みに気付いた文宏は自殺を装って父を殺害するが、大きく損なわれ、香織とも離れ離れになってしまう。 十数年後、文宏は…
1、作品の概要 2012年に刊行された白石一文の長編小説。 東日本大震災後の未来が不確かになったこの国で、いとこ同士の男女が淫欲に堕ちていくさまを描く。 2019年に柄本祐、瀧内公美主演で映画化される。 2、あらすじ 兄弟同然に育った従兄弟の直子の結婚式に参列するため、郷里の福岡に帰省した賢治。 恋人同士だった2人の再会は、かつての禁断の関係を呼び覚まし、再び愛欲に溺れる日々が始まる。 まるで現実から逃れるように禁忌を犯す2人。 東日本大震災で未来が揺れ動く不安定なこの国をさらなる悲劇が襲おうとしていた。 www.youtube.com 3、この作品に対する思い入れ、読んだキッカケ このブログ…
1、作品の概要 『けものがれ俺らの猿と』『屈辱ポンチ』の2編中編からなる作品。 町田康2作目の作品。 永瀬正敏主演で映画化された。 屈辱ポンチ (文春文庫) 作者:町田 康 文藝春秋 Amazon 2、あらすじ 『けものがれ、俺らの猿と』 脚本家の佐志は、妻が留学して以来、仕事もなく、義父との関係もこじれ住処も追われそうになる始末。 一念発起して楮山から受けた仕事がうさんくさい仕事で、あちこちヘンテコな場所に連れて回られる。 『屈辱ポンチ』 金持ちの友人・浜崎からの依頼で跋丸への復讐を手伝うことになった岡倉。 どこかぼんやりしている帆一と協力して無言電話や、白紙ファックスなどの嫌がらせをするが…
1、作品の概要 1954年に刊行された書き下ろし長編小説。 第1回新潮文学賞を受賞。 ベストセラーとなり、5度も映画化された。 古代ギリシアの散文作品『ダフニスとクロエ』より着想を得た作品。 現代文明より隔離された離島での純朴な少年と少女の恋愛を描いた。 2、あらすじ 現代文明から隔絶された歌島で漁師を営む若い新治は、父を早く亡くし、母と弟を助けながら毎日懸命に働いていた。 ある時、村の有力者・照吉の娘・初江を見かけて気にかけるようになる。 次第に惹かれあう2人は監的哨で抱き合い、結婚の約束を交わすのだった。 初江に想いを寄せる安夫、新治を快く思わない照吉が2人の仲を引き裂こうとするが、2人は…
1、作品の概要 遠野遥のデビュー作。 『文藝』2019年冬季号に掲載。 第56回文藝賞を受賞。 ルッキズムに取り憑かれた青年が、女装し始める。 2、あらすじ 密かに女装をして自らの美しさを高めていくことに耽溺している20歳の青年の「私」 幼馴染のつくねと懇意にして彼女に性的な欲望を感じて、デリヘル嬢のカオリに激しい性的欲望を感じながらも、「私」は自らの美しさに磨きをかけていく。 女装をしてデリヘル嬢のカオリを迎えることを決意した「私」の世界が急速に崩壊し始める。 改良 (河出文庫) 作者:遠野遥 河出書房新社 Amazon 3、この作品に対する思い入れ、読んだキッカケ 新世代の旗手。 太宰治じ…
1、作品の概要 2012年に刊行された10編からなる連作短編集。 「BE・LOVE」連載コミック『最果てアーケード』の原作として書き下ろされた。 世界で小さなアーケードで大家兼配達係りとして働く女性と、風変わりな店主達の物語。 表紙の装画を酒井駒子が担当した。 2、あらすじ 父母を亡くして、遺された小さなアーケードの大家兼配達係として働く「私」。 アーケードの店主たちは誰もからも個性的で、お客さんも一筋縄ではいかない人たちばかり。 濃い死の影に彩られた風変わりのエピソード、人々の想いが篭められた商品一つ一つに宿ったエピソードが紐解かれていく。 最果てアーケード (講談社文庫) 作者:小川 洋子…
1、作品の概要 2014年に刊行された村上春樹の短編集。 全6編からなる。 女性に去られてしまった男たちを描いた。 『ドライブ・マイ・カー』『イエスタデイ』『独立器官』『木野』は『文藝春秋』に、『シェエラザード』は雑誌『MONKEY』に掲載されて、表題作の『女のいない男たち』は書き下ろされた。 『ドライブ・マイ・カー』は2020年に監督・濱口竜介、主演・西島秀俊で映画化されている。 2、あらすじ ①ドライブ・マイ・カー 俳優の家福は、20年連れ添った妻を癌で亡くしてしまう。 彼女は夫以外の複数の男と寝ていたが、家福は彼女にそのことについて言及することができなかった。 目の病気のため運転が困難に…
『猛スピードで母は』長嶋有(文春文庫) この文庫は160ページの本文でちょうど真ん中で切れる、つまりきれいに80ページずつの小説が二つ収録されています。 なるほどこのくらいの長さが、「芥川賞ねら
『言文一致体の誕生……失われた近代を求めて1』橋本治(朝日新聞出版) 例によって図書館で見つけた本ですが。 いえ、図書館にこの本があることは、実はずっと前から知っていたのですが、ちょっとパラパラ読
『爆心』青来有一(文春文庫) この筆者については、わたくしかなり前に一つだけ短編小説を読んだことがありました。 その時の漠然とした印象が、この文庫本を見つけた時にふっと思い出されまして、実は一瞬
1、作品の概要 1948年に刊行された川端康成の長編小説。 1935年から断片的な断章が書き付けられて、13年をかけて最終的な完成に至った。 新潟県の湯沢温泉を舞台に山々や木々の美しい自然と、芸者の駒子との日々が語られる。 世界中で翻訳されて高い評価を得ている川端康成の代表作。 「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」の序文はあまりにも有名。 何度も映画、ドラマ、舞台になった。 2、あらすじ 東京に妻子を持つ島村は、登山をしに単身訪れた北国の温泉地で若く美しい芸者・駒子と出会い恋仲になる。 いつか終わらせるべき関係と分かりつつも、2度3度と駒子に会いに温泉地を訪れる島村。 清潔で献身的な駒…
『白土三平論』四方田犬彦(作品社) 実はわたくし、新書版の全21冊の第一部『カムイ伝』を多分持っています。 多分というのは、現物を長く見ていないからで、多分押し入れの奥にあるだろうと思っているか
『地球星人』村田沙耶香(新潮文庫) さて「まくら」は、日本文壇の半期に一度のお祭り、芥川賞の事であります。 いえ、私は新聞やテレビのニュースなんかの報道では適当に興味を持ちつつも、受賞作について
『村上春樹はノーベル賞をとれるのか?』川村湊(光文社新書) 以前、よく似た感じのタイトルの本を読みました。あの時の本は、芥川賞だったと思います。(芥川賞の時は、なぜ取れなかったか、という本だった
『沙羅乙女』獅子文六(ちくま文庫) 獅子文六作品の読書報告は3作目であります。 まず『てんやわんや』を読んで、何だかもうひとつ面白くなかったような報告をしました。でも、あまり記憶に残っていません
『村上春樹の世界』加藤典洋(講談社文芸文庫) 『村上春樹は、むずかしい』加藤典洋(岩波新書) この度上記の2冊を立て続けに読みまして、取りあえず筆者が村上春樹の作品をどのように理解していったか
『街と村・生物祭・イカルス失墜』伊藤整(講談社文芸文庫) さて、伊藤整であります。 「さて」っちゅうのは何のための書き出しの言葉かというと、……えー、なんでしょうねぇ。 ……やはり、ビビっている、ん
1、作品の概要 2012年に刊行された小川洋子の書き下ろし長編小説。 朝日新聞社より刊行。 2012年第63回芸術選奨の文部科学大臣賞を受賞。 2、あらすじ 小鳥の小父さんと呼ばれる男性が、自宅で鳥籠を抱いて亡くなっているのが見つかった。 彼には日本語を一切話さずポーポー語なる独自の言語を話す兄がいて、両親が早く亡くなったあとは2人で生活していた。 風変わりな兄の影響で小鳥を愛で、幼稚園の鳥小屋の世話をボランティアでしていた小鳥の小父さん。 彼の慎ましい人生に起こったいくつかの印象的な出来事の陰には、いつも小鳥の存在があった。 ことり (朝日文庫) 作者:小川洋子 朝日新聞出版 Amazon …
1、作品の概要 2020年2月に刊行した短編集。 『小説 野生時代』に掲載された。 全4編。 2、あらすじ ①丸の内魔法少女ミラクリーナ 小学3年生の時に魔法少女ごっこミラクリーナを始めたリナは、36歳になっても妄想の世界で魔法少女であり続けていた。 一緒に魔法少女をしていたレイコ(マジカルレイミー)は、DV彼氏の正志が悩みの種。 リナは二人を別れさせようとするが、正志が2代目マジカルレイミーとして人助けをすることになる。 ②秘密の花園 千佳は、大学の知人の早川くんを監禁している。 イケメンで女性に対して支配的な早川くんは、監禁されている立場だが逆に千佳に対して支配しているかのように横暴に振舞…
1、作品の概要 2018年6月の『文學界』に掲載され、同年刊行された長編小説。 事故死した夫が全くの別人だった事件を通して、「愛とは何か?」を問うた作品。 2、あらすじ 次男の病死を契機に夫と別れて、長男と2人で郷里の宮崎県に戻った里枝は林業に携わる「谷口大祐」という男と知り合い愛し合うようになる。 やがて結婚した2人は新たに2人の間に生まれた長女の花と、前夫との間の子供の長男の悠人と4人で幸せに暮らしていた。 しかし、仕事中での事故で大祐が亡くなり、疎遠だった彼の兄から「この男は弟じゃない」 と告げられてからこれまで育んできた愛情と信頼が揺らぎ始める。 里枝は過去に離婚を担当していた弁護士・…
『夏目漱石『心』を読み直す』小森陽一(かもがわ出版) 以前読んだ、志賀直哉の短編について書かれた本と同シリーズの本であります。 大きな特徴は、新しい本であるということ。(2020年9月第1刷発行
『かか』宇佐見りん(河出書房新社) ……えー、えらいもので、最初の「令和期の作家」であります。 いえ、まー、令和もすでに3年目に入っておりますから、例えばその間に芥川賞なんかを受賞なさった作家は、
『復活の日』小松左京(角川文庫) 時節柄ということもあってか、友人に勧められて読んでみました。 時節柄ということで言えば、カミュの『ペスト』とかのちょっとしたブームと同じく、本書もまた最近多く読
『海と山のピアノ』いしいしんじ(新潮文庫) わたくしこの作家も初めて読みました。 しかし世の中には、いろんな才能をお持ちの作家がいらっしゃるものでありますなー。 改めて感心しました。この筆者は、
『ニムロッド』上田岳弘(講談社) えっと、数回前の芥川賞の受賞作品ですね。 仮想通貨がテーマである、と。 なるほど、ビットコインが出てきます。けっこう大切な小道具として出てきます。 しかし、何
『水声』川上弘美(文春文庫) 考えてみると、川上弘美も長く読んでいないなー、と。 一時期はかなりまとめて読みましたが、ぷつっとやめました。 今思い出してみると、あの時私は、なにかこの筆者の小説
『月の光――川の光外伝』松浦寿樹(中公文庫) この本も、例の全国展開の古本屋さんで廉価で売っていたので買いました。買ってから何となくあちこち(前書きとか、内容ぱらぱらとか、ですね)見ていますと、ど
『燃えよ剣・上下』司馬遼太郎(新潮文庫) この本も、「本読み」の先輩に薦められました。 「司馬遼太郎は、空海と土方の話が面白かったかなー。」と。 『空海の風景』は、私も読んで面白かった記憶があり
『おらおらでひとりいぐも』若竹千佐子(河出文庫) 正面から老人問題を捉えた小説であります。芥川賞を受賞しました。その時筆者は63歳でありました。 というあたりを事前の予備知識として本書を読みま
『文学国語入門』大塚英志(星海社新書) 図書館で借りました。 風のうわさに聞く「悪名高い国語新指導要領」(本書にそう書いてあります)ということで、図書館でちょっと手に取り、そのまま借りて家で読み
『一人称単数』村上春樹(文芸春秋) ……えー、前回の続きであります。 村上春樹の最新短編集を読みながら、わたくしはわたくし的「新発見」をしたと、前回最後にハッタリをかましてしまいました。 えー
『動物記』高橋源一郎(河出書房新社) わたくしの読書の「メンター」のような方に、「最近何読んでますか」と訊ねた時に出て来た書籍がこれです。私は「『銀河鉄道の彼方に』は読みましたか」と訊ねました。
『十二人の手紙』井上ひさし(中公文庫) ごく個人的な話で申し訳ないのですが、この拙ブログでは、橋本治は「文芸評論家」のカテゴリーに入っています。多分私がこのブログに最初に報告した橋本作品が、文芸
『パーク・ライフ』吉田修一(文春文庫) 少し前に、薦められて吉田修一という作家の本を初めて読みました。 『ウォーターゲーム』という本でした。 前もっての情報もあまりなく読みました。いえ、二つだけ
『夏の葬列』山川方夫(集英社文庫) 今となってはかなり昔、多分例の全国展開古本チェーン店で『海岸公園』というタイトルの文庫本を買いました。新潮文庫でした。 私に作者についての予備知識など全くあり
『谷崎潤一郎 性慾と文学』千葉俊二(集英社新書) 以前より何度か本ブログで書きましたが、私は、大学は文学部というところに大昔通っていました。そこで、まー、何年か何となく通っていたら卒業せよと言
『恋する原発』高橋源一郎(講談社) まず冒頭に、献辞のような形で2ページ、各2行ずつで、こうあります。 すべての死者に捧げる……という言い方はあまりに安易すぎる。 (
『この国の空』高井有一(新潮文庫) 本書を読み終えて、思わずいったいどうなっていたのだろうと考えたことがあります。あれは、今どうなっているんだろう、と。 しかし、ともあれもう少し順を追って報告
『歳月』司馬遼太郎(講談社文庫) 明治初期の、肥前出身の司法卿・江藤新平の生涯を描いた司馬遼太郎の小説であります。講談社文庫で、本文はちょうど700ページ、一冊です。 この長さというのは、司馬
『羅生門・鼻・芋粥・偸盗』芥川龍之介(岩波文庫) とうとう4回目になってしまいました。何が何でも今回はまとめねばなりません。がんばります。 前回の林先生の最初の問いかけは、「なぜ下人は羅生門の
『羅生門・鼻・芋粥・偸盗』芥川龍之介(岩波文庫) 前回最後に報告していたのは、「羅生門」執筆直前に芥川が、後々までかなり強烈なトラウマとなる失恋を経験したということでした。 後年芥川は、当時を振
『羅生門・鼻・芋粥・偸盗』芥川龍之介(岩波文庫) 少し前に本ブログで、中島敦の「山月記」についてだらだらと調べたことを「剽窃」まがいに報告しました。そうしたら、友人の高校の国語教師が面白がってく
『献灯使』多和田葉子(講談社文庫) 前回、私はこの筆者の持ち味であるシニカルと軽妙さは、この小説のテーマに本当に合っているのかという、ちょっと「厚かましい」感じの報告と意見を書きました。 その続
『献灯使』多和田葉子(講談社文庫) この文庫の裏表紙の宣伝コピーに、こうあります。 「震災後文学の頂点」 東日本大震災から9年が過ぎて、そろそろ評価の定着した文芸作品が出始めてもいいころ
『三四郎』夏目漱石(岩波漱石全集第五巻) 『三四郎』を読まねばなるまいと考えたのは、その前に『漱石激読』(石原千秋・小森陽一)という本を読んだからであります。 この本の中に、美禰子はこれっぽっち
『三四郎』夏目漱石(岩波漱石全集第五巻) よし、『三四郎』を読もうと思いました。その理由は下記に記しますが、さて、何で読もうかな、と。 何で、というのは、家には角川文庫、新潮文庫、そして新書版の
『漱石激読』小森陽一・石原千秋(河出ブックス) この本は一応対談集、とでもいうのですかね。 漱石文学についての二人の研究者のディスカッションです。 かなり以前より私は、対談集の類についてはあま
『吾輩は猫である』夏目漱石(岩波文庫) あれこれ浮世との関わりもあって、しかし結果的には、ここんところけっこう暇でした。(まー、一連の「コロナ」禍のせいですね。) しかしそのせいだけでもなく、例
1、作品の概要 2019年に刊行された小川洋子の最新の長編小説。 書き下ろし。 2、あらすじ 「私」は元幼稚園だった建物に1人で住んでいる。 幼稚園の講堂には、子どもを亡くした親たちが想い出を納めた『小箱』が置いてあり親たちは子供達と触れ合うために幼稚園の講堂にやってくる。 この世界では、子供たちは次々と死に絶え、もう生まれてくることはない。 産院は爆弾で爆破された。 「私」は喋る声が片っ端から歌になるバリトンさんに、彼の恋人の手紙の翻訳を依頼されていた。 恋人の手紙はある日から極端に小さな文字になってしまい読み取れなくなっていた。 園庭を歩きながら、解読した手紙をバリトンさんに読み聞かせなが…
『破れた繭・夜と陽炎……耳の物語12』開高健(新潮文庫) 前回の続きです。 前回最後に書いていたのは、開高健の文体は、関西弁に標準語をアウフヘーベンした(逆かもしれません)、最強の関西人文体ではな
『破れた繭・夜と陽炎……耳の物語1・2』開高健(新潮文庫) この度、岩波文庫に初めて入った開高健の小説がこれだという事を知人から聞き、そういえばむかーし新潮文庫で買ったのがあったはずと書棚をごそご
1、作品の概要 1961年に刊行された後期の中編作品。 第16回毎日出版文化賞を受賞。 日本で2度、海外で3度映画化された。 「男でなくなった」老人限定で、薬で深く眠らされた娘と添い寝できる秘密の家の物語。 川端康成のフェティシズムや、耽美、夢想などが感じられる。 2、あらすじ 木賀老人から、「男でなくなった老人」に限定薬で深く眠らされた全裸の若い女性と1夜添い寝をできる秘密の家を紹介される江口。 他の老人たちと違って男としての機能を失っていない江口だったが、「眠れる美女」と過ごす一夜に魅了されて足繁く通いつめるようになる。 5夜で6人の美女の匂いや、肌触り、体の美しさを愛でるうちにかなしさや…
『コーヒーと恋愛』獅子文六(ちくま文庫) 作者獅子文六の小説は2冊目です。前回読んだ『てんやわんや』の読書報告は本ブログにあります。少しそれを読み直してみました。 なるほど、今の私の記憶とほぼ
1、作品の概要 2020年4月刊行。 新聞で連載されていた作品を単行本化した。 2、あらすじ 第2次世界大戦時に、敵味方問わずに多大な影響を与えた「熱狂」と呼ばれる伝説のトランペット・・・。 偶然その楽器を手に入れてしまったジャーナリストの山峰は、謎の組織のBに追われることになる。 彼は、山峰に「一週間後君が生きている確率は4%だ」と告げる。 山峰は、事故で死んだヴェトナム人の恋人・アインとの間にかわした約束を守るために彼女と自分のルーツ・歴史を調べて小説にしようと奮闘する。 それは、彼のルーツである長崎の地、日本においてのキリスト教とその弾圧、第2次世界大戦の凄惨な記憶と核爆弾、そしてトラン…
『山月記・李陵』中島敦(岩波文庫) 「山月記」についての報告の4回目になります。 今回は、虎になった理由「その三」、私がこの度の「勉強」で、一番面白かったところであります。 (1)李徴の説く虎に
『山月記・李陵』中島敦(岩波文庫) 「山月記」についての報告の3回目になります。 今回は、三つのその理由を考えたいと思います。特に三つめが、この度「勉強」をしていて新しく「はっ」と思ったものであ
『山月記・李陵』中島敦(岩波文庫) 前回から中島敦「山月記」について、わたくしが少々「勉強」いたしましたことを報告しています。 今回は、教科書に少し寄り道をした後、山月記の魅力について、考えてみ
『男であることの困難』小谷野敦(新曜社) 前回の続きです。 漱石の『こころ』についての評論の内容紹介をしていました。 実は私は、この筆者の『こころ』についての文章は、以前にも別の評論を読んだ事
『クワイエットルームにようこそ』松尾スズキ(文春文庫) 私には、読書指導のメンターのような方がいます。 いえ、実際、世の中にはちょっと信じがたいような「本読み」は、実はごまんといるようですね。ち
『百年の散歩』多和田葉子(新潮社) ドイツのことを何も知りません。 いえ、居直っているわけではありません。我ながら困ったことだなあとは思いつつも、何といいますか、なかなか、えいやっ!と、改めて西
1、作品の概要 2009年に刊行された、中村文則6作目の小説。 主人公は刑務官で、拘置所で収容者たちの世話をする仕事をしている。 自らの心の不安定さと向き合いながら、夫婦を刺殺した未決囚・山井を担当し、徐々にお互い心を開くようになっていく。 2、あらすじ 乳児院の前に捨てられて、施設で育った「僕」は心の不安定さを抱えながら30歳になり刑務官をしている。 かつては自殺も企て、トラウマを抱えていた「僕」だったが施設の施設長である「あの人」に助けられて若干の不安定さを抱えながら、大人に成長していった。 しかし、「僕」は子供の頃から「死んだ全裸の大人の女を海辺で膝の上に乗せている」という奇妙で、現実的…
『母の遺産――新聞小説・上下』水村美苗(中公文庫) 上下2冊の力作長編小説です。 といっても、この筆者の過去の作品『本格小説』などに比べたら、ほぼ半分の分量です。 この方は、天性の長編小説作家です
『山椒魚』井伏鱒二(新潮文庫) 『山椒魚』の冒頭に「山椒魚は悲しんだ。」とあります。 また、この井伏鱒二の初期短編集には12の短編小説が収録されていますが、その多くの作品に「くったく」と
『影裏』沼田真佑(文春文庫) 3つの小説が収録されていますが、1つ目の小説「影裏」が芥川賞受賞作です。 冒頭から続く森の描写、これがびっくりするくらいよかったです。 明晰で透明感があって、何だ
『晩年』太宰治(新潮文庫) 以前より私は、太宰治は我がフェイヴァレット作家のひとりだと本ブログで書いてきました。今でも基本的にそう思っています。 この度、太宰治の第一作品集『晩年』を読みまして、
1、作品の概要 1949年に刊行された、三島由紀夫2作目の長編にして代表作。 同性愛を扱った自伝的小説で、その倒錯した世界感が当時の話題となった。 一人称の告白体で描かれている。 「私」の少年時代から23歳までの話で、全4章からなる。 前半は、倒錯した性の目覚めと憧れの同級生・近江との学校生活を描き、後半は友人・草野の妹・園子との恋愛と、失恋を描き女性を愛せない苦悩を描いた。 2、あらすじ 病弱な「私」は母から引き離されて、祖母から徹底した管理のもと育てられた。 歪んだ愛情を注がれながら育った私は、汚穢屋や、兵士の汗の匂いに魅せられて、絵本の中の殺される王子を愛した。 「私」はそれらが持つ悲劇…
『山椒魚の忍耐―井伏鱒二の文学』勝又浩(水声社) さて私は、井伏鱒二の小説とつげ義春の漫画はどちらを先に読んだのだろうと、ふと考えましたら、やはり、まー、つげ漫画が先だったかなと思います。 「
1、作品の概要 中村文則5作目の長編作品。 土の中の子供から1年以上のブランクが空いて、2007年に刊行された作品。 芥川賞受賞後に発表された作品となった。 2014年に柳楽優弥主演で映画化された。 2、あらすじ 主人公の「私」が散歩から帰ると、いつも呼んでいるデリヘル嬢のエリコが自分のベッドで乱暴されて殺されているのを発見する。 警察に連行されて疑われる「私」だったが、犯人が最近数年ぶりに再会した幼馴染の冴木だとわかり釈放される。 冴木と「私」には、小学2年生の頃大勢のホームレスの男に同じホームレスの「やっちり」がレイプされるのを偶然目撃し、翌日殺されたことを知る衝撃的な体験をしていた。 そ…
1、作品の概要 太宰治、晩年の名作。 1947年、刊行。 当時のベストセラーとなった。 得意とする女性の告白体で書かれている作品で、没落していく貴族を表して「斜陽族」という言葉を生み出し、社会現象となった。 自身のファンであった太田静子の日記を参考に書いたとされている。 太宰はこの女性と関係を持ち、後に女の子が生まれ、自身の名前を一字入れて治子と名付ける。 先日、公開した蜷川実花監督の映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』にも太田静子との出会いから、斜陽の執筆、私生児をめぐる泥沼のやり取りまでが描かれています。 hiro0706chang.hatenablog.com 2、あらすじ 父を亡くし…
『アサッテの人』諏訪哲史(講談社文庫) 言葉にこだわった小説ですね。 しかし、まー、仮にも小説を書こうとする人なら、言葉にこだわらない人は、いませんよね。 小説を書きながら言葉にこだわらないとい
1、作品の概要 中村文則の4作目の小説で、2005年に刊行されて芥川賞を受賞した。 強烈な被虐体験が話題になった。 土の中の子供 (新潮文庫) 作者:中村 文則 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2007/12/21 メディア: 文庫 2、あらすじ 27歳のタクシードライバーの「私」は、実の親に捨てら、引き取り先の親戚に暴力・ネグレクトなどの虐待を受け、睡眠薬を飲まされて土の中に埋められる凄まじい体験を経て、施設に預けられた過去があった。 幼少期に受けた心の傷と恐怖が、自らの身を危険にさらす異常行動に繋がり、実の父親の生存を聞かされた頃から意欲が低下し、精神は均衡を失っていく。 同居人の白…
1、作品の概要 中村文則の3作目の長編。 作者自ら「最もマニアックな長編」と言っている初期の傑作のひとつだと思います。 悪意の手記 (新潮文庫) 作者: 中村文則 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2013/01/28 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (14件) を見る 2、あらすじ 15の時、TRPという死に至る大病を患った主人公の「私」が、死への恐怖と青い服を着た奇怪な少年との邂逅から 自らの運命を呪い、周囲を憎悪するようになっていった。 奇跡的に回復して高校に復学した「私」だったが、たまたま公園で会った親友のKを池に突き落として殺してしまう。 罪の意識から自死を試みる「私」だ…
まず最初に一言、この書評はとてつもなく暗くなります(笑)たぶん。 ツィッターの小説10選にこの小説を入れ忘れてしまったので、悔しいからブログで書評を書こうと思ったのですが、書こうとする内容がかなり陰鬱です。 でも、暗いのが何が悪いんだろうと昔から思ってしまうわけで、僕が昔から惹かれる文学も、音楽も、映画も、絵画も深い闇を抱いた作品が多いです。 日常はわりと明るい性格だし、仕事的にも前向きでいることが求められるので精神的にバランスをとりたくなって、暗いトーンの作品に惹かれるのかなと思います。 常に明るくて前向きで?そんなの反吐がでそうになる時もありますし、一人で深い闇の中に耽溺したくなる時もあり…
『三つの空白―太宰治の誕生』鵜飼哲夫(白水社) この間まで森鴎外の伝記関係の本を何冊かまとめて読んでいましたら、結構おもしろかったものの、20冊近く読んだらちょっともう鴎外はいいかなという気にな
『ゆうじょこう』村田喜代子(新潮社) このタイトルは漢字で書くと『遊女考』となるんでしょうね。 なぜ平仮名になったのかは、一応読んでみればそのニュアンスはわかります。 でも、……んんー、「なになに
『鴎外最大の悲劇』坂内正(新潮選書) 「街のごろつきのような言いがかり」(高橋義孝)「自己弁疏に寧日がない」(同)「自分の最も深い傷口を隠したとまでは言うつもりはないが、何か釈然としないものを感じ
『マチネの終わりに』平野啓一郎(毎日新聞出版) 「失恋」という言葉がありますね。 あー、そういえば、若かりし頃、心ならずもこの語の現す事態に、何度も何度も引きづり込まれていたなぁ、と、わたくしは
『鴎外闘う家長』山崎正和(新潮文庫) 鴎外についての本をあれこれ読んでいますと、「扣鈕(ぼたん)」という詩がいろんなところに出てきます。それを何度となく読んでいると、とても哀感があっていい詩に思
梨木香歩先生の「西の魔女が死んだ」を読んだので感想を書きます。 この本は結構古くて、平成13年に書かれたものなんですよね。 映画化されているし、それに毎年夏になると本屋さんに平積みされていて、いつか読んでみようと思っていました。 // リンク とはいっても、忙しい時期が続き、結局今年まで読めていなかったんですよね。でもまた手にとってみたのは、梨木先生のエッセイ本「春になったら苺を摘みに」を読んだからなんです。 // リンク このエッセイ、タイトルから察するに、自然を愛する方が、季節を楽しみながら暮らしていく様子を描いているだろうなと思っていました。でも読んでみると、ちょっと違っていました。 イ…
『騎士団長殺し・第1部第2部』村上春樹(新潮社) この本の読書報告は2回目です。 2回目というのは、連続としてのものという意味ではなく、本ブログに2回別々の感想文を書いた、という意味ですね。つい
『死霊Ⅰ』埴谷雄高(講談社文芸文庫) ……うーん、やはり。 ……やはり、第一次戦後派のあたりが弱い、な、と。 ……えっと、何の話かと申しますと、ははん、とお気づきの方もいらっしゃるだろうと思いますが
『ポトスライムの舟』津村記久子(講談社文庫) 休憩終了のベルが鳴り、ラインが動き始める。休憩前よりは軽く感じる手を上げて、流れてきた一本目の乳液のキャップを固く閉めて、表裏上下とひっくり返して確
『パンク侍、斬られて候』町田康(角川文庫) 冒頭しばらくして本書の重要な登場人物(というか、と「登場集団」)の「腹ふり党」の説明が出てきます。本作品は2004年に単行本として刊行されていますが、
『伯爵夫人』蓮實重彦(新潮文庫) もうこの小説が発表されて3年にもなるのですね。文庫にもなってますし。 新潮文庫の裏表紙の文章に、こうあります。 東大総長も務めた文芸批評の大家が80歳で突
『ヨッパ谷への降下』筒井康隆(新潮文庫) 本文庫には、副題として「自選ファンタジー傑作集」と付いており、筆者の多くの新潮文庫の短編集から作品を集めた一冊という形になっています。筆者の新潮文庫の最
『穴』小山田浩子(新潮文庫) 前回の続きです。「ゆきの宿」のクライマックスの部分。友人斉木君の家に泊まった翌朝、「僕」が雪の庭で斉木君に会う場面です。 斉木君は、昨晩僕が先に寝た後、妻が泣い
マンガ本を読んだなら、アップしましょう。
先日アンソニー・ホロヴィッツの『メインテーマは殺人』を読み、 本書の中で「読書会」を開いていて自分も開いてみたい!と思いました。 みんなで集まって感想を言い合うとかではなく、 月に一冊みんなで同じ本を読む。 それだけです。 気になる文章を抜粋して伝え合うのもおもしろいかもしれません。 特に熱く語るつもりはありません。 誰かと同じ本を読んでいるという楽しさ。 同じ本を共有しませんか? よろしくお願いします。
どんな本でもいいので「誰かにおすすめしたい!」と思ったらどんどん紹介して下さい☆ 本を見たり読んだりした感想を少し書いて下さい☆
ムック本についての情報
ただ好きなだけじゃうまくいかない。
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平和大統領とは裏腹の 操り人形だった 殺人鬼 オバマ。無人機で気分次第で 民間人殺害、テロリスト支援、 2025年までの 核の増産など。 呪わしい政権だった。
忙しい現代人に送る、本要約ブログ。 読んでいただけるととても嬉しいです‼️ 宜しくお願いいたいします🙇♂️
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