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消え去りゆく珠玉の言葉があります。 新しく興る清新な言葉があります。 純文学、大衆文学、児童文学、歴史文学etc... 文学と名のつくもの、文学と名のつきそうなもの、あるいは、これも文学と紹介したいもの、何でも構いません。 文字と文学を愛する人々全てのコミュニティとして、何でもお気軽にトラックバックして下さい。
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文学の記事

1件〜50件

  • 佐藤愛子『気がつけば、終着駅』を読んでスカッとした
    2020/10/09 14:28
    佐藤愛子『気がつけば、終着駅』を読んでスカッとした

    商品を見る→佐藤愛子 『気がつけば、終着駅』 1320円 3年程前に 佐藤愛子さんの『90歳。何がめでたい』を読んで 元気なおばあちゃんの毒舌エッセーが面白かったので 『気がつけば、終着駅』を本屋でみつけて

    anzu_ame

    きれいの秘密を見つけよう♪

  • 7回目「コンビニ人間」(村田沙耶香:文春文庫)
    2020/10/08 16:00
    7回目「コンビニ人間」(村田沙耶香:文春文庫)

    現在進行形で活躍されている現代作家の小説は、ほとんど読まない。別に読まないと決めているわけではないが、あまり食指が動かない。現代作家の書く小説は、活字離れが著しい現代において、どこか「読みやすさ」「わかりやすさ」のみに重点が置かれているように思える。また、表面上は難解な風を装っているが、中身はスカスカな小説が殆どであるような気もする。自分は「不可解な事」「わかりにくい事」に魅力を感じる捻くれた性癖の人間なので、現代作家の書いた現代小説は敬遠してきた(学生時代からのファンである町田康は例外)しかし、読まず嫌いなだけで「現代小説=わかりやすい小説」と一括りにするのは愚の骨頂だ。また、読んでみると新…

    松本

    松本雄貴のブログ

  • 8回目「告白」(町田康:中央公論新社)  猫町倶楽部の読書会にて
    2020/10/08 16:00
    8回目「告白」(町田康:中央公論新社) 猫町倶楽部の読書会にて

    猫町倶楽部という団体が主催している読書会に参加してきた。 課題本を読了した参加者たちが、グループに分かれて課題本の感想を言い合う。1グループがだいたい7,8人で、テーブルを囲って読んだ本について語り合う。ワンドリンクが付いていて、アルコールも飲める。ファシリテーターという司会をする人をグループ内で一人決め、その人が進行する。語り合いが終わったあとは、料理が饗され、半ば合コンのような飲み会が始まる。「猫町倶楽部」とエゴサーチすると「婚活」というワードが出てくるのも、こういった所以からだろう。以上が、猫町倶楽部の読書会の大まかな流れである。 課題本について議論するわけではない。「他人の意見を否定し…

    松本

    松本雄貴のブログ

  • 9回目「痴人の愛」(谷崎潤一郎:新潮文庫)
    2020/10/08 15:59
    9回目「痴人の愛」(谷崎潤一郎:新潮文庫)

    男は真面目で、知識・教養があり、年上で人生経験も豊富で、良い職に就き、安定した収入(かなりの高給)があり、自立している。基本的には常識人。女は不真面目で、年下で、カフェの給仕以外の社会経験がなく、勉強もできない(英語の発音はとても上手いけれど文法はメチャクチャ)、しかし、性的魅力は天性ものがある。そんな男女の結婚生活を、男の手記形式で書かれている。女(ナオミ)の人物造形が秀逸だった。常識と良識を兼ね備えたフツーの男(若干、ロリコン、マゾヒストの素質があり、性的に倒錯してはいるが、常識の範囲内だ)が、女の性的魅力のみによって、いつの間にかイニシアティブが逆転し、精神的に支配されてしまう。女無しで…

    松本

    松本雄貴のブログ

  • 12回目「塩狩峠」(三浦綾子:新潮文庫)
    2020/10/08 15:59
    12回目「塩狩峠」(三浦綾子:新潮文庫)

    敬虔なクリスチャンの父母の元に産まれた青年が、様々な人との出会いと別れの中で成長し、自らも敬虔なクリスチャンになり、最後は列車の事故から自らの身を犠牲にして乗客の命を守り死ぬ、という物語。要するに、一人の人間の幼少期から死ぬまでの一生を描いた作品で、かなり読み応えがあった。人間の一生を描いているので当然、長い小説なのだが、途中で中だるみすることもなく、最後まで読めた。言葉に物語を牽引する力があるのだろう。ただ「キリスト教」及び「キリスト教信者」を美化しすぎているのでは、との感想も当然抱いた。もちろん、キリスト教意外の他の宗教を直接的に批判しているような箇所はない。むしろ、他宗教の批判と取られぬ…

    松本

    松本雄貴のブログ

  • 16回目「メタモルフォシス」(羽田圭介:新潮文庫)
    2020/10/08 15:59
    16回目「メタモルフォシス」(羽田圭介:新潮文庫)

    表題作の「メタモルフォシス」と「トーキョーの調教」の2作品が収録されている。 どちらも、マゾヒズムという特殊な性癖を有した男が主人公で、そっち方面の描写がかなりエグい。墓地での露出プレイなどは序の口で、おっさんに肛門を掘られたり、ウ●コを食べたり、アブノーマルなシーンのオンパレードだ。その説明だけを聞くと、ギャスパー・ノエなどの映画に見られるような、単に性的に過激なだけの悪趣味で低俗な小説と思われるかもしれない。しかし、この2つの小説は、性的に過激な部分だけに目をやってしまうと気付かない、「言葉」というものに対する、作家の鋭く深い批評性がある。作品を過激にするためだけに、ひたすら性や暴力を描く…

    松本

    松本雄貴のブログ

  • 17回目「機械・春は馬車に乗って」(横光利一 新潮文庫)
    2020/10/08 15:59
    17回目「機械・春は馬車に乗って」(横光利一 新潮文庫)

    コロナの影響で仕事がめっきり暇になり、家にいることが多くなった。せっかくの機会なので普段以上に本を沢山読もうと意気込んでいるのだが、何故かあまり捗らない。平時は休日にカフェで読書をするのだが、今は普段行くカフェが臨時休業している。また、不要不急の外出は憚られるので、そもそも外に出ない。となると、自宅の部屋で読書をすることになるのだが、家には読書以外の誘惑が多く、なかなか読書に没頭できないのだ。 そんな中でようやく読了できたのが横光利一の「機械・春は馬車に乗って」である。表題の2作含め、全10編の短編が収録されている。 太宰の小説はどの作品を読んでも大体、「あぁ、どれも太宰の小説だな」と感じる。…

    松本

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  • 20回目「仮面の告白」(三島由紀夫:新潮文庫)
    2020/10/08 15:59
    20回目「仮面の告白」(三島由紀夫:新潮文庫)

    三島由紀夫の「仮面の告白」は、高校生の頃に始めて読んだ。それ以降は読んでいないので、恐らく約20年ぶりの再読だ。内容は殆ど覚えていなかったが、「糞尿汲取人」という単語だけは鮮明に覚えていた。薄学な高校生にとって、三島由紀夫は難解であり読了することが苦痛であった。じつは「仮面の告白」以前に「盗賊」や「獣の戯れ」を読んでおり、こちらも殆ど覚えていないが難解であった。「金閣寺」は確か「仮面の告白」の次に読んだように思う。「金閣寺」を読む時間と労力があれば、太宰の「人間失格」で充分じゃないか、言わんとしている事は同じじゃないか、と、よく分かっているような、或いは、何も分かっていないような感想を抱いた。…

    松本

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  • 22回目「高瀬舟」(森鴎外:集英社文庫)
    2020/10/08 15:59
    22回目「高瀬舟」(森鴎外:集英社文庫)

    『じいさんばあさん』『高瀬舟』『山椒大夫』『寒山拾得』『最後の一句』『堺事件』『阿部一族』の7つの短編が収録されている。そして『高瀬舟』と『寒山拾得』には森鴎外自身による解説が付いている。さらに巻末の解説(川村湊と林望)も読み応えがあり、鴎外の年譜まで収録されている。これで340円(税別)はかなりお得だ。 収録されている7作の中では、『寒山拾得』だけが他の作品とは少し毛色が違う。まず『寒山拾得』だけが死ぬ人がいない。他の6作品は沢山の死が存在する。『寒山拾得』だけが極めて平和なお話だ。下らない話だった。下らない話というのは、面白い。昔の中国の官僚のおっさんが、高名らしい僧侶に会いに行くだけの話…

    松本

    松本雄貴のブログ

  • 34回目「希望の国のエクソダス」(村上龍:文春文庫)
    2020/10/08 15:59
    34回目「希望の国のエクソダス」(村上龍:文春文庫)

    村上龍の長編。「希望の国のエクソダス」の書評。

    松本

    松本雄貴のブログ

  • 恐るべき「地味」さの果てに
    2020/10/04 10:54
    恐るべき「地味」さの果てに

      『この国の空』高井有一(新潮文庫)  本書を読み終えて、思わずいったいどうなっていたのだろうと考えたことがあります。あれは、今どうなっているんだろう、と。  しかし、ともあれもう少し順を追って報告

    analog純文

    近代日本文学史メジャーのマイナー

  • 月山 弥陀ヶ原湿原 2020年9月 (山形県 鶴岡市)
    2020/10/01 23:06
    月山 弥陀ヶ原湿原 2020年9月 (山形県 鶴岡市)

    月山 下山後、月山八合目の標高1450メートルに展開する弥陀ヶ原湿原を散策してきました。 一周すれば約3キロ、約1時間30分くらいの距離です。 「いろは四十八沼」 と呼ばれる池塘も多くあり、一帯は高山植物の宝庫になっている。 約330年前、松尾芭蕉もこの湿原を散策してから月山に登ったようです。 現在は、月山八合目まで車で行けますが、芭蕉の時代は、六合目まで馬で行き、ここから登山開始となったようです。...

    Anthony

    Anthony’s CAFE

  • 短篇小説「品書きのエモい料理店」
    2020/09/30 15:25
    短篇小説「品書きのエモい料理店」

    誰もがグルメグルメとほざく昨今、私はいよいよ通常の美味いだけの料理では飽き足らなくなってしまった。料理とは、ただ物理的に美味いだけで良いのだろうか。演奏の上手いだけの音楽が味気ないように、美味いだけの料理というのもまた、文字どおり味気ないものだ。 私は心を揺さぶるエモーショナルな音楽が好きだ。ならば同じく感情に訴えかける、エモい料理というものがどこかにあるのではないか。そんな疑問を持ちはじめた矢先のことだった。近所に新しい料理店がオープンするというチラシが、ポストに投げ込まれていたのは。 私はオープン初日の開店時間に合わせて、その店を訪れた。なぜならばそのチラシには、「あなたの心に、届けたい料…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • 主人公の魅力の「逆説的」描き方
    2020/09/20 09:00
    主人公の魅力の「逆説的」描き方

      『歳月』司馬遼太郎(講談社文庫)  明治初期の、肥前出身の司法卿・江藤新平の生涯を描いた司馬遼太郎の小説であります。講談社文庫で、本文はちょうど700ページ、一冊です。  この長さというのは、司馬

    analog純文

    近代日本文学史メジャーのマイナー

  • そんな深いことを
    2020/09/14 09:00
    そんな深いことを

    死ぬまでに全巻読破するぞ、ということで昭和45年度版の新潮文学全集を読んでいることについては、このカテゴリにおいても、すでにお話ししておりますが、本稿は、その「山本有三集」に含まれていた作品にまつわるお話です。その作品のタイトルは、「路傍の石」。有名な作品ですね。だれでも、この作品名は、聞いたことがあることでしょう。でも、実際に読んだことがあるかどうか、ということになると、どうかなあ? 「読んだこ...

    石神井翻訳亭

    石神井翻訳亭 - シニアの残り時間の使い方について考える

  • 聞く本?オーディブル(Audible)で聞ける美容と健康のおすすめ本【5選】
    2020/09/06 11:07
    聞く本?オーディブル(Audible)で聞ける美容と健康のおすすめ本【5選】

    こんばんわデニージョップです。 忙しいデニーは、「ながら」作業をすることが多いのですが、運転中や家事・ランニング中など、耳から聞ける活気的なオーディオブックサービスがあります。 みなさんご存知のAmazonが提供する、オーディオブックサービス「Audible」というものです。 Amazonのサービスだけあって、とても使いやすいですよ。iPhoneのアプリもあって、本の検索もわかりやすく、無料体験期間も30日間ですので、安心してご利用できます。 今回は、このサービスで聞ける美容と健康に関するおすすめかつ、おもしろい本を厳選して5冊ご紹介いたします。 1)脳だまダイエット 脳だまダイエット - 脳…

    dennyjop

    dennyjop's diary

  • もちろん「羅生門」も面白い(その4)
    2020/09/06 11:02
    もちろん「羅生門」も面白い(その4)

      『羅生門・鼻・芋粥・偸盗』芥川龍之介(岩波文庫)  とうとう4回目になってしまいました。何が何でも今回はまとめねばなりません。がんばります。  前回の林先生の最初の問いかけは、「なぜ下人は羅生門の

    analog純文

    近代日本文学史メジャーのマイナー

  • 焼走り溶岩流 2020年8月 (岩手県 八幡平市)
    2020/09/04 18:03
    焼走り溶岩流 2020年8月 (岩手県 八幡平市)

    岩手山の噴火によって吹き出した熔岩が、山肌を流れるままに冷えて固まってできたものが 焼走り熔岩流 で、国の特別天然記念物になっています。 享保17年(1732)の噴火によってできたもので、300年近く経つというのに、ほとんど植物が進入していないという不思議な場所です。Photo by Kirishima 展望台近くにある 宮沢賢治 「鎔岩流」 の詩碑喪神のしろいかがみが薬師火口のいただきにかかり日かげになつた火山礫堆(れ...

    Anthony

    Anthony’s CAFE

  • もちろん「羅生門」も面白い(その3)
    2020/08/30 08:28
    もちろん「羅生門」も面白い(その3)

      『羅生門・鼻・芋粥・偸盗』芥川龍之介(岩波文庫)  前回最後に報告していたのは、「羅生門」執筆直前に芥川が、後々までかなり強烈なトラウマとなる失恋を経験したということでした。 後年芥川は、当時を振

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    近代日本文学史メジャーのマイナー

  • 書評『声の網』/星 新一
    2020/08/24 18:09
    書評『声の網』/星 新一

    声の網 (角川文庫)作者:星 新一発売日: 2012/10/16メディア: Kindle版これは物語のふりをした、世界一読みやすい予言の書であるかもしれない。予言の書は予言が現実化する前に読まねば意味がないように思われるが、いざ見事にすべてが現実化してしまったあとのいま読んでこそ、背筋の凍る答えあわせが楽しめるというメリットもある。そういう意味では、いまこそ読まれるべき作品であるとも言える。本作が書かれた1970年時点で、「個人情報」という感覚を持っていた人が果たしてどれほどいただろうか。ましてや「個人情報」というものに潜む計り知れぬ危険性を。アイドル雑誌に、ファンレターの宛先としてタレント本…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • もちろん「羅生門」も面白い(その1)
    2020/08/16 17:18
    もちろん「羅生門」も面白い(その1)

      『羅生門・鼻・芋粥・偸盗』芥川龍之介(岩波文庫)  少し前に本ブログで、中島敦の「山月記」についてだらだらと調べたことを「剽窃」まがいに報告しました。そうしたら、友人の高校の国語教師が面白がってく

    analog純文

    近代日本文学史メジャーのマイナー

  • 短篇小説「耳毛をちぎらないで」
    2020/08/11 20:34
    短篇小説「耳毛をちぎらないで」

    真夜中の路地裏。濡れた壁面に押しつけられ、片耳細コードイヤホンの北村が、大型ふかふかヘッドホンの西沢に左手で胸ぐらを掴まれている。大型ふかふかヘッドホンの西沢は、片耳細コードイヤホンの北村の胸元で自分を挑発するように揺れ動くコードを、右手で強く握り込んで一気に引きちぎった。 北村の片耳細コードイヤホンは、モノラル仕様の片耳分しかない一本の線であった。しかもその末端にあるイヤホンジャックはどこにもつながっていないから、ただ片耳からぶら下がっているだけの不安定なコードを引きちぎるのは思いのほか難しい。だが自らの手首をくるっと回転させ、イヤホンコードを巻き取りつつ巧みに引きちぎる大型ふかふかヘッドホ…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • 「震災後文学の頂点」か?(後半)
    2020/08/08 08:48
    「震災後文学の頂点」か?(後半)

      『献灯使』多和田葉子(講談社文庫)  前回、私はこの筆者の持ち味であるシニカルと軽妙さは、この小説のテーマに本当に合っているのかという、ちょっと「厚かましい」感じの報告と意見を書きました。 その続

    analog純文

    近代日本文学史メジャーのマイナー

  • 短篇小説「バベルの誤塔」
    2020/08/06 18:39
    短篇小説「バベルの誤塔」

    十年かけて、ついに私は金字塔を打ち立てた。いや実際には金字塔ではなく、隣の塔にそっくりな近似塔なのであった。 高さもデザインも内装もまったくそっくりな違法建築である。そもそも隣の塔が違法建築なのだから、それを真似したらそうなってしまうのは仕方ない。いや違法建築ではなく異邦建築だったかな。そういえば現場で見かけた作業員の多くは、外国人労働者であったような気がしないでもない。 私は今日はじめて、できたてほやほやの我が塔の最上階へ昇ってみた。その際もちろん階段ではなくエレベーターで昇ったわけだが、ちょっと表面がぬるぬるしていたので、私が乗ったのはエレベーターではなくアリゲーターだったのかもしれない。…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • 「震災後文学の頂点」か?(前半)
    2020/08/01 10:59
    「震災後文学の頂点」か?(前半)

      『献灯使』多和田葉子(講談社文庫)  この文庫の裏表紙の宣伝コピーに、こうあります。    「震災後文学の頂点」  東日本大震災から9年が過ぎて、そろそろ評価の定着した文芸作品が出始めてもいいころ

    analog純文

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  • 短篇小説「AでもないBでもない」
    2020/07/28 18:48
    短篇小説「AでもないBでもない」

    背が高くも低くもない、特に男っぽいわけでも女っぽいわけでもない男が、お昼すぎとも夕食前とも言えない時間帯に、定食屋にもレストランにも見えない飲食店で、昼定食でもランチでもない何かを食べていた。男のほかに客はいなかった。 男が店に入ってきた瞬間、店主でも店員でもない女は、この男のことが妙に気になった。男の姿が、サラリーマンにも工場労働者にも水商売にも無職にも見えなかったからだ。 この店はオフィス街でも歓楽街でも学生街でも田舎町でもない場所に建っていた。特に美味いわけでも不味いわけでもないが、かといって普通というほど普通でもなく、特別というほど特別でもないところが落ち着くと評判の店だった。なんて面…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • 短篇小説「逆接族」
    2020/07/23 13:58
    短篇小説「逆接族」

    つい先日、関東地方にいわゆる「火球」が落下したのは記憶に新しい。だがそれはもちろん、一般市民の混乱を防ぐために画策された、為政者サイドによる隠蔽工作に過ぎない。実際には皆さんご期待のとおり、そのとき未確認飛行物体が地球上に着陸したのである。 落下直後、現場へ私のような言語学者が呼び出されたのが何よりの証拠だろう。つまり未確認飛行物体には言語を操る何者かが搭乗していること、そしてその相手が地球とは異なる言語圏に住む者であるということが、あらかじめ予測されていたということになる。 真っ暗闇の中、あまりにも予想どおりに青白く光る円盤状の物体から登場したのは、人間とまったく見た目の変わらない、ひとりの…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • 明治の青春を堪能(後半)
    2020/07/19 10:17
    明治の青春を堪能(後半)

      『三四郎』夏目漱石(岩波漱石全集第五巻)  『三四郎』を読まねばなるまいと考えたのは、その前に『漱石激読』(石原千秋・小森陽一)という本を読んだからであります。 この本の中に、美禰子はこれっぽっち

    analog純文

    近代日本文学史メジャーのマイナー

  • 短篇小説「誰得師匠」
    2020/07/17 17:31
    短篇小説「誰得師匠」

    今日も劇場の楽屋は誰得師匠のおかげでてんやわんやである。楽屋口から出たり入ったりしながら、トイレへ行った一瞬の隙に連れてきた鳩がいなくなったと誰得師匠が騒いでいる。担当の新人マネージャーを呼びつけては鳩の生態を語って聴かせ、劇場の女性スタッフを捕まえては鳩の餌代がいかに高くつくかを熱弁する。 三十分ほどスタッフ総出で探索させたのち、楽屋でのんびり煙草を吹かしている誰得師匠にマネージャーがおそるおそる声をかける。「すいません、まだ見つかってなくて……」 新人が怒鳴られるのを覚悟してほとんど目をつぶりながらそう言うと、誰得師匠は驚くべき返答をしれっと口にした。「ああ、鳩ならここにあったよ」 そして…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • 『たそがれ清兵衛』は本も映画も最高に面白かった
    2020/07/15 19:41
    『たそがれ清兵衛』は本も映画も最高に面白かった

    商品を見る→新潮文庫 たそがれ清兵衛 737円 藤沢周平の時代小説が好き。 代表作の『蝉しぐれ『は登場人物に品位がある。 橋物語に収録されている『橋物語 約束』では 庶民がまっとうで健気に生きている姿に

    anzu_ame

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  • 言葉を定義する・デジタルヒューマン
    2020/07/14 20:48
    言葉を定義する・デジタルヒューマン

    三浦しをんの「舟を編む」と言う小説は、2012年本屋大賞を受賞しました。「玄武書房」に勤める編集者たちが、新しく刊行する辞書「大渡海」を編纂するため、辞書の世界に没頭していく姿を描いた作品です。「辞書は言葉の海を渡る舟、編集者はその海を渡る舟を編んでいく」と

    ひろ

    「いのち輝き塾」…人が輝く、企業が輝く、地球が輝く

  • 短篇小説「自転車通学者の恋」
    2020/07/13 19:02
    短篇小説「自転車通学者の恋」

    純介は高校時代、男子校へ自転車で通っていた。おかげで彼はひとりの女子ともつきあうことができなかった。 だがそれはけっして、貴重な青春期の行き先が男の園だったからではない。純介は、すべては自転車通学のせいだと思っている。自転車通学という手段は、即刻廃止すべきだとすら考えている。自分が動き続けている限り、恋など生まれようがないからだ。恋とは、どうやら止まった場所からしか発生しないものらしい。 高校へ入学し、学校との微妙な距離感から自動的に自転車通学が決定したとき、純介は小躍りして喜んだものだ。彼は自転車に乗ることを純粋に楽しんでいたし、なによりも青春映画や歌謡曲で頻繁に描かれる、荷台に女の子が横座…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • 明治の青春を堪能(前半)
    2020/07/11 13:38
    明治の青春を堪能(前半)

      『三四郎』夏目漱石(岩波漱石全集第五巻)  よし、『三四郎』を読もうと思いました。その理由は下記に記しますが、さて、何で読もうかな、と。 何で、というのは、家には角川文庫、新潮文庫、そして新書版の

    analog純文

    近代日本文学史メジャーのマイナー

  • 短篇小説「課金村」
    2020/07/10 15:29
    短篇小説「課金村」

    この村ではなにもかもが無料である。一見そのように見える。本当にそうなのかもしれない。本当はそうなのかもしれない。ということは、そうじゃないのかもしれない。 朝から公園を散歩していた私は、喉が渇いてきたので自販機でジュースを購入しようと考える。ここでつい「購入」などと言ってしまうのは、前時代的な貨幣経済に毒された旧人類たる私の悪い癖だ。 ここではなにもかもが当たり前のように無料であり、自販機に並んだ十数個のボタンは、いずれも最初からここ押せワンワンとばかりにまばゆい光を放っている。そもそもコインの投入口など、どこにもありはしない。 早くも疲れを感じていた私は、選び放題の中から栄養ドリンクのボタン…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • 『マヤ』
    2020/07/07 13:32
    『マヤ』

    物語の中に 物語があり、 それぞれの登場人物にも、 それぞれの物語がある。 ヨ―スタイン・ゴルデル特有の物語構成。 もうひとつの 独立した物語、 『カードミステリー』の世界に  通じるトンネルもある。 この本を片手に、 色彩豊かな  フィクションの時空に 迷い込む。 Nor...

    Minori

    輝く家路

  • 短篇小説「連&動」
    2020/07/03 14:31
    短篇小説「連&動」

    膝五郎が街でたい焼きを食べ歩いている。いや正確には究極のたい焼きを求めて何軒もまわっているというわけではなく、単に歩きながら手近な一匹を食べているだけなので「歩き食べている」と言ったほうがいい。日本語の複合動詞では、後に来る動詞のほうが主役になるという法則があるらしい。 膝五郎はたい焼きを歩きながら食べるものだと思っているので、それを立ち止まって食べる、つまり「止まり食べる」ことなどけっしてあり得ない。もちろん「座り食べる」こともない。 それでいうと、「座り止まり食べる」ことが最も可能性が低いということになる。一方で「座り歩き食べる」ことならば、かなり下半身に負荷がかかることが予想されるが完全…

    井上智公

    泣きながら一気に書きました

  • タタミコーナー下収納。
    2020/06/27 09:30
    タタミコーナー下収納。

    こんにちは。  絵本を読んでいていつも気になること おじいさんが言いました。『そうなんじゃ』 誰がはじめにおじいさんの語尾を『じゃ』にしたんですかね?語尾の『…

    ほしの

    ママ建築士のすまいブログ

  • 「深読み」ってなんでしょう
    2020/06/27 09:29
    「深読み」ってなんでしょう

      『漱石激読』小森陽一・石原千秋(河出ブックス)  この本は一応対談集、とでもいうのですかね。 漱石文学についての二人の研究者のディスカッションです。  かなり以前より私は、対談集の類についてはあま

    analog純文

    近代日本文学史メジャーのマイナー

  • 「猫」で一番面白い……
    2020/06/14 10:02
    「猫」で一番面白い……

      『吾輩は猫である』夏目漱石(岩波文庫)  あれこれ浮世との関わりもあって、しかし結果的には、ここんところけっこう暇でした。(まー、一連の「コロナ」禍のせいですね。) しかしそのせいだけでもなく、例

    analog純文

    近代日本文学史メジャーのマイナー

  • 短篇小説「迷信迷走」
    2020/06/12 18:50
    短篇小説「迷信迷走」

    迷村信彦はスマホであれ一眼レフであれ、写真を撮られるのが嫌いだ。それはもちろん、〈写真を撮られると魂を抜かれる〉という迷信を信じているからにほかならない。 なぜそうなのかは知らないが、おそらく生きた魂は固定されることを嫌うのだろう。その証拠に、〈動画を撮られると魂を抜かれる〉という説は聞いたことがない。 信彦がパスタを食べるときにフォークで巻かないのは、〈パスタを巻くとどこかで何かのネジが緩む〉からだ。 全世界の「巻き」の総量は決まっていて、誰かがどこかで何かを右に巻くと、どこかで何かが同じくそのぶん左に巻かれることで、この世界のバランスは保たれる。そんな「巻量保存の法則」を信彦は信じている。…

    井上智公

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  • 短篇小説「挨拶の懊悩」
    2020/06/09 01:25
    短篇小説「挨拶の懊悩」

    元気は元気であることに疲れていた。誰かと久しぶりに会うたび、いちいち「お元気ですか?」と訊かれるのが面倒で仕方なかったのである。 そんなのはもちろん単なる挨拶の常套句であって、本当に目の前の相手が元気か元気でないかなど誰も気にしているわけではない。それはわかっているのだが、元気に許されているのはいつだって「元気です!」という快活な返事ただ一択のみであった。元気にはそれが不本意で仕方ない。自分がたいして元気でないときには、それは嘘をついていることになってしまうからだ。 元気はかつて一度だけ正直に、「お元気ですか?」との挨拶に「それほどでもないです」と正直に答えてみたことがあった。その日は本当にな…

    井上智公

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  • 短篇小説「風が吹けば桶屋が儲かるチャレンジ route 1」
    2020/06/05 15:39
    短篇小説「風が吹けば桶屋が儲かるチャレンジ route 1」

    一陣の風が、吹いた。はたして桶屋は儲かるだろうか。 駅前の大通りを通り抜けた風が、路上に落ちていたコンビニ袋を舞い上げた。宙を舞ったコンビニ袋が、直進してきた八百屋の軽トラックのフロントガラスに貼りつき、その視界を奪う。八百屋の軽トラは急ブレーキを踏んだが、その急停止のせいで、後方から大型トラックに追突される。その衝撃で軽トラの荷台に積み込まれていたダンボールの蓋が次々と開き、大量のリンゴが路上へとばら撒かれた。 そこを通りかかった親切なお婆さんが、きんちゃく袋かららくらくホンを取り出しすぐに警察と救急車を呼んだ。お婆さんと集まってきた野次馬たちは、心配気に状況を見守りつつも、手持ち無沙汰から…

    井上智公

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  • 短篇小説「正論マン」
    2020/06/04 15:54
    短篇小説「正論マン」

    正論ばかり言う正論マンがセイロンティーを飲んでいる。これは駄洒落だが駄洒落こそが正論なのではと正論マンは最近思う。 たとえ言葉の響きだけであっても、一致している部分があるというのは間違いなく正しい。もしも正論マンがダージリンティーを飲んでいたら、「なぜセイロンティーじゃないんだ?」と言われてしまうことだろう。それは正論マンがセイロンティーを飲むのが正論だと皆が感じているからにほかならない。 正論マンは町のネジ工場に務めている。ある朝出社すると正論マンは部長に呼び出され、「いま開発中の新型ネジの進行状況はどうなってる?」と訊かれた。「僕はネジじゃないので、わかりません。ネジのことを知りたかったら…

    井上智公

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  • 「彫心鏤骨」の文体に見るもの(後半)
    2020/06/03 22:19
    「彫心鏤骨」の文体に見るもの(後半)

      『破れた繭・夜と陽炎……耳の物語12』開高健(新潮文庫)  前回の続きです。 前回最後に書いていたのは、開高健の文体は、関西弁に標準語をアウフヘーベンした(逆かもしれません)、最強の関西人文体ではな

    analog純文

    近代日本文学史メジャーのマイナー

  • 言語道断
    2020/06/02 21:15
    言語道断

    「言語道断」にはいろいろな意味があります。「仏語」では、「奥深い真理は言葉で表現できないこと」ですが、ここでは、「言葉で言い表せないほどひどいこと、とんでもないこと」の意味とします。それは、「櫻井よしこ」の近著「言語道断」の題名でもあります。占領軍お手製

    ひろ

    「いのち輝き塾」…人が輝く、企業が輝く、地球が輝く

  • ショートショート「売らない師」
    2020/06/01 14:02
    ショートショート「売らない師」

    僕はその日も売らない師の店を訪れていた。 売らない師の店では、なんでも売っているがなんにも売っていない。食品もおもちゃも洋服もペットも電化製品も、その他なんだかわからないものまで扱っているが、この店で誰かがなにかを購入する場面を、僕はこれまで一度たりとも見たことがない。それどころか、買ったという話を聞いたことすらない。だからこそ彼女は、誰が呼んだか「売らない師」と呼ばれているのだ。 それでも僕がついつい売らない師の店に立ち寄ってしまうのは、もちろん置いてある商品がすこぶる魅力的であるから。この日も僕は、棚の隅っこにさりげなく置いてあった商品がどうしても欲しくなってしまった。丸っこくて柔らかくて…

    井上智公

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  • 短篇小説「机の上の空論城」
    2020/05/27 19:23
    短篇小説「机の上の空論城」

    いよいよ私はたどり着いた。旅の最終目的地である、この大いなる「空論城」へと。 門前から見上げると、「空論城」は四本の太い木の柱に支えられた巨大な板の上に、そう、まるで机の上に建っているように見えた。さすがはかの有名な言葉「机上の空論」の語源となった城である。それは土台となる机の上にその底面を接しているようでありながら、そこからやや浮遊しているような不安定さをも孕んでいた。 思えば長い旅路であった。そのはじまりには、私を呼び出した王様との口論があった。 たしかに世は乱れ、平和などすっかり遠い昔の夢物語のようであった。だが前回の凄惨な大戦からの教訓としてもたらされた非暴力の思想は、なおも崩れてはい…

    井上智公

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  • 「彫心鏤骨」の文体に見るもの(前半)
    2020/05/26 17:49
    「彫心鏤骨」の文体に見るもの(前半)

      『破れた繭・夜と陽炎……耳の物語1・2』開高健(新潮文庫)  この度、岩波文庫に初めて入った開高健の小説がこれだという事を知人から聞き、そういえばむかーし新潮文庫で買ったのがあったはずと書棚をごそご

    analog純文

    近代日本文学史メジャーのマイナー

  • 短篇小説「電動アシスト式告白機」
    2020/05/23 15:19
    短篇小説「電動アシスト式告白機」

    たいした脚力も必要なく坂道をすいすい登れる電動アシスト式自転車に驚いていたのも、今は昔。近ごろではすっかり、何から何まで電動の力を借りるようになった。箸の上げ下げに至るまで、今や電動アシストなしには考えられない。もはや人類そのものが、すでに「電動」であるといっても過言ではないのかもしれない。 電動アシスト式スニーカー、電動アシスト式マフラー、電動アシスト式カツラ、電動アシスト式たて笛、電動アシスト式入れ歯――人間のあらゆる部位に電動アシスト機能は役立っているが、ここへ来て人間の「部位」ではなく「行動」を、いわゆる「もの」ではなく「こと」をアシストする電動システムが発売される段階に至ったのは、進…

    井上智公

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  • 短篇小説「よろずサポートセンター」
    2020/05/20 18:12
    短篇小説「よろずサポートセンター」

    私は何か困ったことがあると、必ず「よろずサポートセンター」に相談することにしている。みんなもそうするといい。電話に出た「よろずサポーター」が、なんでも解決してくれる。本当に最高のサービスがここにある。その手段さえ問わなければ。 仕事から帰ってきて部屋の電球が切れていることに気づいたときも、私は即座に「よろずサポートセンター」に電話をかけた。すると電話に出たよろずサポーターの指示により、三十分もしないうちに一流テレビ局の照明スタッフ数名が駆けつけ、様々な角度から、夜が明けるまで私を激しく照らし続けてくれた。 おかげで私は一睡もできなかったが、初めて俳優のような気分を味わうことができた。替えの電球…

    井上智公

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