●科学技術ニュース●NIMS、ネオジム磁石の高性能化に向けたデジタルツインを開発し微細組織の最適化による究極の保磁力への道拓く
物質・材料研究機構(NIMS)は、電子顕微鏡観察から得られるネオジム磁石の微細組織を有限要素モデルに取り込み、外部磁界の影響で磁石が減磁する過程を数値シミュレーションで再現することに成功した。このシミュレーションを通じて、磁石の強さの指針の一つである保磁力を物理的限界に近づけるために必要な微細組織を予測することが可能になる。同研究の成果は、商用磁石の磁気特性が物理的限界に遠く及ばない原因を明らかにし、究極の性能を持つ磁石開発への指針となることが期待される。風力発電、モビリティー用途で使用されるモーターは高性能永久磁石に大きく依存しており、その中でもネオジム(Nd-Fe-B)磁石は最も強力で需要が増大している。しかし、ネオジム磁石の保磁力は、そのほとんどが物理的限界をはるかに下回っている。同研究では、超微細...●科学技術ニュース●NIMS、ネオジム磁石の高性能化に向けたデジタルツインを開発し微細組織の最適化による究極の保磁力への道拓く