夜想曲集
昨夜はカズオ・イシグロの短編集「夜想曲集」を読みました。この作者の短編集は初めて読みました。というか、私の知るかぎり、短編集はこれ1冊だけだと思います。夜想曲集(ハヤカワepi文庫)カズオ・イシグロ早川書房いずれも音楽家が主人公になっています。酒場で演奏する売れないバンドからかつてスターであった老歌手まで、さまざまです。この短編集の刮目すべき点は、ユーモアが前面に出されているところです。しかしそのユーモアは、人生というものへの辛辣さが隠されていて、そこが深い味わいになっています。エンターテイメントのようでいて、文学になっている、素敵な短編集でした。夜想曲集