銀行今昔物語を有意義に読むには?―『巨大銀行の構造』著:津田和夫
今は昔の30年前の銀行業界。そんな業界本を読むことに果たして意味があるのか。 2020年の現在からすると本作はおよそ30年前の作品。実際の内容は出版よりも過去の話であろうから、内容はおおよそ1980年代程度、よくて1990年初頭ということになる。当然ながら現在の銀行業界とは状況が全く異なる。都市銀行が11行に信託銀行が7行もある時代の話。付利する金利も規制されていた時代。現在からは想像ができません。 そんな大昔の書籍を今更再読する必要があるかと言えば、答えは難しい。銀行業界に関連・ゆかり・興味のない方は、本作は文字通り古本以外の何物でもない。しかし、仮にあなたが金融業界に関連する職種である、あ…