【本】遠野遥『破局』~感情と欲望の希薄さと、カタストロフィに繋がる無自覚の不遜さ~
1、作品の概要 『破局』は、2020年に刊行された遠野遥2作目の中編小説。 『文藝』2020年夏季号に掲載された。 第163回芥川賞を受賞。 2、あらすじ 恵まれた肉体と頭脳を持ち、一流の大学で何不自由なく恋人との日々を送る陽介。 彼は恋人の麻衣子と別れて、友人・膝のお笑いライブに来ていた灯と付き合い始めるが、ほとんど感情のゆらぎを感じることなく日々を生きていた。 平穏でどこか完結していた彼の完璧な日常はある日突然変容する。 破局 作者:遠野遥 河出書房新社 Amazon 3、この作品に対する思い入れ、読んだキッカケ 遠野遥の作品は、『改良』『教育』と読んで、何かとても複雑な読後感と鮮烈な印象…