【本】小川洋子『薬指の標本』~静謐な狂気の檻~

【本】小川洋子『薬指の標本』~静謐な狂気の檻~

1、作品の概要 小川洋子、8作目の中編。 1994年10月に刊行された。 表題の『薬指の標本』と『六角形の小部屋』の2編の中編が収録されている。 『薬指の標本』は2005年にフランスで映画化された。 2、あらすじ 『薬指の標本』 工場でサイダーを作る仕事をしていた「わたし」は、左手の薬指の先を機械に挟まれて失ってしまい、標本室で働くようになった。そこは様々な品物が持ち込まれて瓶詰めの標本にされる不思議な場所だった。 「わたし」は標本室の主の弟子丸氏に靴をプレゼントをされて、恋人のような奇妙な関係になっていくが・・・。 『六角形の小部屋』 スポーツクラブで偶然出会ったミドリさんのあとを追いかけて…