嵐を呼んだ二景 芥川龍之介 「蜘蛛の糸」
思い出に残る「蜘蛛の糸」、といえばこの時です。実は今、真夜中にブログを書いていて外は大雨なのですが、実はこの窓を打つ雨で「蜘蛛の糸」の公演のことを思い出したのです。2014年6月28日(土)15時梅雨時の公演でも、梅雨間の晴れ間でお客様の足元も心配することはない日でした。ところが『蜘蛛の糸』を読みすすめ、二景の地獄の場面を読みはじめましたところ…突然、雷鳴が轟きました。見る見るうちに、写真左側ギャラリーのベランダ側が真っ暗になり、会場は夜のような雰囲気に。激しい雨粒が硝子を打ち始め、やがて大きな雷が落ちた。閃光を放ち、つぎつぎと雷が鳴り響く中、私は地獄の景を読み続けました。臨場感に溢れる、この神様の演出に、私は驚くとともに喜びがこみあげてきます。だって、こんなリアルな地獄の情景を、朗読の神様が下さったのですから...嵐を呼んだ二景芥川龍之介「蜘蛛の糸」