短篇小説「机の上の空論城」
いよいよ私はたどり着いた。旅の最終目的地である、この大いなる「空論城」へと。 門前から見上げると、「空論城」は四本の太い木の柱に支えられた巨大な板の上に、そう、まるで机の上に建っているように見えた。さすがはかの有名な言葉「机上の空論」の語源となった城である。それは土台となる机の上にその底面を接しているようでありながら、そこからやや浮遊しているような不安定さをも孕んでいた。 思えば長い旅路であった。そのはじまりには、私を呼び出した王様との口論があった。 たしかに世は乱れ、平和などすっかり遠い昔の夢物語のようであった。だが前回の凄惨な大戦からの教訓としてもたらされた非暴力の思想は、なおも崩れてはい…