昼下がりの万葉集 大伴家持の憂鬱
目次 初恋の人にセカンドラブ 家持の憂鬱な人生(略年譜) 【意訳というより、もはや妄想】 初恋の人にセカンドラブ 今回は、大伴家持が大伴坂上大嬢(おおとものさかのうえのおおいらつめ)という女性に贈った歌。 まず、詞書(ことばがき)から。 大伴宿祢家持(おおとものすくねやかもち)の、坂上の家の大嬢(だいじょう)に贈りし歌二首 離絶すること数年にしてまた会ひて相聞往来しき 大伴坂上大嬢は、家持の従妹(大伴旅人の異母妹である大伴坂上郎女の娘)で、のちに正妻になった女性。 家持は、大伴坂上郎女に養育されていたらしいので、二人は幼なじみでもあったのかもしれない。十代の頃には、すでに恋の歌を贈り合っている…