扇の風は誰のため? 

扇の風は誰のため? 

ひさびさの和歌鑑賞日記。 (前回がいつだったかは、すでに忘却の彼方) 今回は、中務(なかつかさ)という、平安時代の女性歌人が詠んだ、七夕の歌。 あまの河 河辺すずしき たなばたに 扇の風を 猶やかさまし 拾遺和歌集 巻第十七 雑秋 【普通の意訳】 天の川のほとりには、すずしい風が吹いていますけれども、織姫さまには、もっと扇の風をお貸ししたほうがいいのかしら。どうかしら。 分かるようで、よく分からない歌である。 涼しい川風が吹いているらしいのに、なんでもっと「たなばた(織姫)」に送風しなくちゃならないのか。 織姫、よほど暑がりなのだろうか。 更年期特有のホットフラッシュで、体温調節に困難を抱えて…